フライング

Ezoharuzemi
エゾハルゼミ♂

 林縁で観察をしていた最中、不意に足下で羽をバタつかせる昆虫がおり、見れば初夏の代表種ことエゾハルゼミでした。季節の進みが早いにしても、少々フライングが過ぎたのか、あまり元気がありませんでした。という訳で、そばにあったトドマツの幹に止まらせてのやらせ撮影です。

Miyamasumire1
ミヤマスミレ

 近くにはスミレがひっそりと咲いていました。これこそ、斑入りではない正真正銘のミヤマスミレの様です。

Miyamasumire2

 後で友人に聞いたところ、「道東では、道端で普通にミヤマスミレが生えている」という事なので、近場にあった幾つかのスミレを見てみると、本当にミヤマスミレでした。ちなみに、上の群落の写真は家の玄関の目の前にある茂みの中。ドア to 現場が実に1秒です。

弟子屈町 2018年5月13日

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花見ず

Someiyoshino

 3月の頭に東京に帰ったばかりですが、今回は仕事で、本部への出張のため再び東京へと戻りました。桜が丁度満開だったので、春の気配に飢えていた人間にとっては、涙が出るほど(スギ花粉で)眩しい眺めです。

Biroodo1
ビロードツリアブ♀

 仕事の合間に、花びらと花粉の舞う春空から地面へと目を転じると、この季節にお馴染みのビロードツリアブの姿がありました。

Biroodo2_2
ビロードツリアブ♀:産卵
(青丸:ビロードツリアブ、青矢印:ヒメハナバチの巣穴)

 この場所、地面にはヒメハナバチの巣が無数にあって、観察していた最中もヒメハナバチ達が忙しく出入りしていたのですが、その巣穴を覗き込む様にビロードツリアブがホバリングをしています。
 実はこれ、ビロードツリアブの産卵で、ホバリングしながら巣穴の中に卵を投げ込んでいるところ。かわいい姿をしたビロードツリアブですが、ヒメハナバチなどに寄生して、卵や蛹を捕食するという強かな生態を持っているそうです。ホバリングの最中に、時折巣穴に向けて腹部を振っていたので、おそらくその瞬間に卵を穴の中に投下していたのでしょう。

 本当は、桜やスミレの写真などを撮るつもりではいたのですが、予備のバッテリーや充電器を北海道に置いて来てしまい、ビロードツリアブの観察だけでバッテリーを使い果たしてしまいました、、、。

東京都 2018年3月28日

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Utopia

Snow

 12月も半ばとなり、道東も完全に根雪となりました。近所にある牧草地は見渡す限りの雪原に変わり、厚さ40センチの雪の表面には、エゾシカやキタキツネの足跡が点々と続いています。

Frost1

Frost2

Frost3

 日中の気温は氷点下なので、朝方に陽の光を透かして見るとダイヤモンドダストが煌めき、草木には霜がびっしりです。時期が時期だけに、クリスマスイルミネーションぽいですね。

Geothermal

 そんな雪と氷の世界で、昆虫達はとうの昔に命を終えたか、越冬している時期のはずですが、未だに虫の声が聞こえて来る場所があります。それはズバリ、温泉地。道東には温泉地が点々とありますが、地熱が常に保たれている場所が幾つかあります。素手で触ると暖かく感じる程の熱量なので、雪が降ってもあまり積らず、凍る事もありません。
 上の写真では、中央の雪が薄い辺りが地熱の特に強い所です。

Madarasuzu
マダラスズ(幼虫)

 この様な特殊な場所を、ピンポイントで利用している昆虫というのがこちら。コオロギの仲間の一種のマダラズズです。今回確認できたのは幼虫と思われる個体だけでしたが、近くからは「ジー ジー」というオスの鳴き声が複数聞こえていました。
 本種は日本全国の草地などに生息しているのですが、生きた姿が見られるのは基本的に夏から秋にかけて。冬季は本来いるはずもありません。しかし、地熱地帯は冬でも暖かく、食物となるコケ類といった植物も自生しているため、ここでは年中生息できるという訳です。
 記録では、厳冬期の1〜2月でも鳴き声が聞こえるらしいので、虫の姿が恋しくなったら、この小さな楽園に再び訪れる事としましょう。

弟子屈町 2017年12月17日

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我が家の生物多様性

 以前に住んでいた山梨のアパートではアシダカグモが、香川のアパートではカネタタキが部屋の中を歩いていましたが、今度の北海道道東の推定で築40年以上の一戸建て平屋の借家でも、色々な生きものと同居しています。
 大概見かけるのはカマドウマやナミテントウなのですが、部屋の隅に置いているミネラルウォーターのボトルには、キタテハ エルタテハが掴まって現在進行形で越冬しています(どこから入った!?)。それに加えて、夕食の準備のため台所に立とうとした時に、床の上を歩いていたのがこちら!

Ooyadorikanimusi
オオヤドリカニムシ

 なんと、そこにいたのは体長5ミリほどのカニムシ。調べたところ、オオヤドリカニムシのようです。
 カニムシは、ダニやサソリ、クモなどと親戚に当たるカニムシ目に属する生物で、カニの鋏に似た前脚からその名が付いています。小型で土中に生息する種や、本種の様に大型かつ地上で生活する種など様々なタイプがいるようです。ダニの親戚というだけあって姿がマダニに似ていたので、見つけた時は身構えてしまいました。ちなみに、撮影には台所で乾かしていた食品用白色トレーを使ってみたのですが、予想以上にストロボを満遍なく反射して、最近流行の白背景風の写真となりました。

 このオオヤドリカニムシですが、調べる過程で非常に驚いたのがその生態です。カニムシは肉食性で、一部は土中に生息して、同じく土中に生息するトビムシという微小な昆虫を捕食したりするのですが、本種はなんと、ネズミなどの小型哺乳類の体表面に寄生しているそうです。なので、ネズミの住処や古巣、もしくはネズミの古巣を利用する事があるマルハナバチ類の巣中からも確認された例があるとの事。
 この記述を読んだ時、なぜカニムシが家の中にいたのか腑に落ちたことと、そして図星を突かれた衝撃により、PCの画面に向かって「なんだってー!?」と思わず叫んでしまいました。そう! 自然豊かな道東に位置する推定築40年の我が借家には、ストーブを終日焚くようになった11月頃から、近隣の森に棲んでいるヒメネズミが冬越しのために集まって来ているのです!

 ヒメネズミ達は屋根裏や壁に潜んでいるらしく、今のところ食物を齧られる等の被害は無いのですが、ネズミ用粘着トラップを試しにかけたところ、一度に3匹もかかっていました、、、(それでヒメネズミと判明)。
 我が家の生物多様性には何とも驚かされましたが、カニムシの登場により、お蔭でずいぶんと勉強にもなりました。

自宅 2017年12月5日

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奥ゆかしき茶色

 先日の29日は振休だったのですが、道東地域のため例のミサイル騒動により早朝からJアラートと町内放送に叩き起こされました。しかも外は雨・・・。
 束の間の休みというのに寝覚めの悪い日でしたが、お昼頃には雨が止んだので、景気付けに知り合いの虫屋さんから教えて頂いた場所へと、ある昆虫を探しに出掛けました。

Cyairosuzume1

Cyairosuzume2
チャイロスズメバチ:ハルニレの樹液を摂取

 その昆虫とはこちら、チャイロスズメバチです。生きている姿は初めて見ましたが、この茶色が中々に渋い! 本種については、『社会寄生』(本種の女王バチがキイロスズメバチなどの巣に侵入して、最終的に巣を乗っ取る)という生態が有名で、昆虫の奥ゆかしさを感じます。実物を見ると、思っていたより小さくて羽音も重低音ではない(アブに近い?)ので、今まで頭の中で勝手に作られていたイメージが一新されました。
 雨上がりで気温が低かったため、動きが鈍いのを良い事にかなり寄って撮影してしまいましたが、スズメバチである事には変わり無いですし、今度見る時は注意したいと思います。

Akagera
アカゲラ

 帰り際、近くの立ち枯れ樹をふと見ると、餌を探すアカゲラの姿が。結構近かったのですが、こちらを特に気にせず黙々と餌探しに専念していました。

Torikabuto
エゾトリカブト

 気がつけば、トリカブトの花が咲く季節になりました。今年は、地理的な面もあって夏らしい雰囲気を感じる事が未だ少ないのですが、道東ではもう秋支度が始まっているようです。

道東 2017年8月29日

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