湿原のサファイア

 道東の釧路湿原には、通称『湿原のサファイア』とも称される物体があります。先日、道東に住む友人とその物体について話した時に、「せっかく道東に住んでいるなら、ぜひ見たいよね〜」と私が言ったところ、道東生活4年目の情報網を活かして、あっという間に観察会を予約してくれました(感謝!!)。
 というわけで、友人とは現地で合流する事にして、湿原のサファイアを拝むべく日暮れと共に出発しました。

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キタサンショウウオの卵嚢(らんのう):『湿原のサファイア』
(左上はエゾアカガエル)

 集合は日曜日の夜6時という強行軍でしたが、そこまでして見に行ったある物体とはこちら、キタサンショウウオとその卵嚢です。タイトルの『湿原のサファイア』とは、本種の卵嚢の事。光の加減で、ゼリー状の卵嚢が青白く輝く特徴があり、この色を宝石のサファイアに例えた通称です。
 ライティングが上手く行かなかったので微妙な青ですが、それでも確かに、サファイアかラピスラズリを思わせる青色が浮かび上がりました。枯れ草色一色の水域で、青白く光る卵嚢は何とも神秘的です。

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キタサンショウウオ♂(中・右、左上の青色は卵嚢)

 そして、こちらが成体のキタサンショウウオ。水中に半ば沈んだヨシの茎にしがみついているのですが、これはオスで、メスが産卵のためにやって来るのを待っているそうです。しかも、待機中は尻尾を常にゆらゆらと動かしているのですが、何のために動かしているのかは謎との事。フェロモンを出しているのか、あるいは水流(波紋)でメスに何かしらのアピールをしているのかもしれませんね。

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キタサンショウウオ♀

 帰り道では、産卵へ向かおうと歩いていたメスにも遭遇しました。このキタンサショウウオ、日本国内では北海道東部の限られた場所にしか生息していないのですが、実は世界的に見るとかなり広範囲に分布しているので、日本から一歩出ると普通種です。むしろ、道内の水域に広く分布しているエゾサンショウウオという別の種は日本固有種で、世界的に見るとこちらの方がレアとの事。でも、「卵が青く光る」という話を聞けば、一度は見てみたくもなりますね。

 今回の観察会、時間の割に子ども達が多かったのですが、現地では子ども達の純粋な観察眼・発見眼が功を奏し、暗闇の中から卵嚢や成体を次々に見つけてくれました。キタサンショウウオを観察できた事は勿論嬉しい事でしたが、生きものに対して、純粋な感覚で向き合う事を思い出させてくれる一時でもありました。

釧路湿原 2018年4月22日

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温む水

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ミズバショウ

 エルタテハの集会を見物した帰り道。夏に何度か訪れた湿地にも立ち寄ったところ、ミズバショウが咲いていました。もう少し先かと思っていたので、驚きつつも新たな花の開花には心が躍ります。

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エゾアカガエル♂

 そして、湿地全体から聞こえて来るのはエゾアカガエルの「キュア キュア」という求愛の大合唱。驚かさないように、そっと水辺に近寄って覗き込むと、水面の至るところからエゾアカガエルが顔を出しています。

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エゾアカガエルの卵塊

 水中には真新しい卵塊もありました。水の中にも春の気配が満ちてきましたね。

Akamaruhanabachi
アカマルハナバチ 女王*

 カエルの大合唱が響き渡る水辺のアキタブキの花に、悠然と羽音を響かせてやって来たのが、こちらのアカマルハナバチ。本州では見ない種だなと思い、帰ってからよくよく調べてみれば、北海道にしか分布していないハチでした。例に違わず、限られた花を求めてやって来たのか、花粉まみれになりながらも忙しそうに蜜を舐めていました(*この時期に飛ぶのは基本的に女王との事でした)。

弟子屈町 2018年4月17日

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春遠し

 先週の2日から10日までの約一週間。吹雪で足止めを食らいつつも、8ヶ月ぶりに故郷の東京へと帰還する事ができました。案の定、連日連夜、旧友達と会って飲みっぱなしでしたが、、、。
 しかし、未だ寒々しい北海道とは違い、東京は既に春の気配が色濃く立ちこめてるので、奇しくも啓蟄の昼に、花粉と戦いながら懐かしき地元の公園を歩いて来ました。

Sugina
ツクシ(スギナ)

 水辺近くの草地には、ツクシが頭を伸ばし、

Azumahiki
アズマヒキガエル

 ノハナショウブの新芽が萌え出る汀からは、アズマヒキガエルがのっそりと上陸し、

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タチツボスミレ

 陽当たりの良い丘では、タチツボスミレが早くも可憐に咲いていました。

Tugumi
ツグミ

 そんな春を感じさせる公園で、お馴染みの『だるまさんが転んだ』歩きで餌を探していたツグミ。あなたもそろそろロシア辺りに帰る頃ですが、私も再び雪が残る北海道へと戻る身。長旅の途中、北海道で会えるかもしれませんね。

東京都 2018年3月6日

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