いつまで粘る

Karamatu

 広葉樹の紅葉はほとんどが終わってしまい、今は一足遅れてカラマツの紅葉が見頃になりました。農地の境目などに一列に植わっている事が多いのですが、そのような場所は風がよく通るためか、紅葉しても瞬く間に散ってしまいます。

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キトンボ♂:日光浴

 半月前は産卵の盛りだったキトンボも、勢いがだいぶ落ちて来ました。カラマツの落ち葉が降る下で、シラカンバなどの白い樹を選んでは、日光浴で暖を取る姿が多くなりました。

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キトンボ♂・交尾帯

 それでも、日中気温が上がってくれば繁殖活動に勤しんでいるので、もうしばらくは粘りそうです。ここまで来ると、いつまで見られるのか見届けたくもなりますね。

Susuki

 今年の冬の入りは例年よりも若干遅いようで、少々足踏み状態が続いています。ですが、うかうかしていると初雪に路面凍結という事もあり得るので、いい加減に冬タイヤへ交換しないとまずいかもしれません。

弟子屈町 2018年11月3日

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限られた時間

 秋が深まり、最低気温が氷点下という日もちらほら出て来ました。

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タイリクアカネ:産卵

 そんな中、最後のチャンスとばかりにタイリクアカネなどの赤トンボが、産卵に勤しんでいます。朝夕は気温が下がるので、行動が活発なのは正午を挟んだ前後の2〜3時間。しかも、陽が雲に隠れたり冷たい風が吹くと、途端にトンボたちはいずこかへ姿をくらましてしまいます。生態観察ができる時間帯も、中々厳しい物になって来ました。

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シマエナガ

 タイリクアカネを観察していた最中、背後の木から微かなさえずりが聞こえて来ました。振り返って梢の先を見れば、そこにいたのは鳥界のアイドルことシマエナガです。

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 前から見ると、大福餅の様なかわいい姿。『萌え』の言葉が相応しい鳥とは、この事でしょうか。

弟子屈町 2018年10月20日

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赤や黄色の

Autumu

 赤や黄色の木の葉が山肌を染める頃、水辺にも赤や黄色が飛び交っています。

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キトンボ♂・連結帯

 昨年の晩秋にキトンボを観察した水辺を再び訪れてみると、今年も元気に飛んでいました。と言うよりも、昨年よりも遥かに個体数が多く、マユタテアカネやシオカラトンボを圧倒していたほどでした。着いた時間は午前中で、見れば多くのキトンボが相手を見つけて連結帯を作っています。

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キトンボ:産卵(*左端のみマユタテアカネ)

 しばらくすると、狙い済ましたかのように各所で産卵が始まりました。てっきり、岸辺の湿った泥などに産卵するかと思っていたのですが、今回見たほとんどのペアは、水没した倒木や樹の根元などを選んで産卵を行っていました。

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キトンボ:産卵

 特に人気の場所だったのが、このような苔むした倒木でした。キトンボの産卵方式は、腹部の先を水面に一度付けて水滴をまとい、水面や泥などへ水滴と一緒に卵を打ち付ける『打水・打泥式』『接水打空産卵*』ですが、苔に向かってこの動作をしていると、タカネトンボなどのエゾトンボ科の産卵風景とも重なります。

 一時は水辺の至る所で産卵が繰り広げられ、目移りするほどだったのですが、遠く彼方で正午を告げる時報が聞こえたのを皮切りに、程なくしてピタッと見られなくなりました。トンボの中には、『産卵は午前中に集中して確認される』という生態情報が記録された種が複数おり本種その一つですが、こうまで時間帯に正確だとは思いもしませんでした。

*:近年、日本トンボ学会内で提唱された呼称に統一しました。

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キトンボ♂:ちょっと失礼、、、

 午後になると、みんな思い思いの場所で日光浴をしたり、体の手入れをしたりして、産卵の疲れを癒していました。

 トンボたちの日光浴に使ってもらおうかと、捕虫網を地面に置いて広げていたのですが、やはり置いた途端に次々に集まってきました。日光浴するのは別に良いのですが、リラックスのしすぎなのかどうか、網の上で堂々と糞をする個体までいる始末です、、、

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複眼の手入れをする♂(上)・♀(下)

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日光浴をするキトンボ♂ & マユタテアカネ♂

 のべ2日かけて観察を行いましたが、産卵を行う時間帯がかなり限られていた上に、見ていた限りでは、複数のペアが同じ場所で固まって産卵している様に思えました。単純に、産卵に適した場所が限られていたのか、あるいは一つのペアが産卵している姿に触発されて他のペアが集まって来るのかどうかはわかりませんが、いずれにしても興味深い光景ではありました。来年も変わらずに出て来てくれる事を祈るばかりです。

弟子屈町 2018年10月13・17日

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癒し

 先日、オホーツク海に面した湿地へと行って来たのですが、天気と気温が幸いしてか、アキアカネの産卵が繰り広げられていました。

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アキアカネ:産卵

 この場所は、近隣の保全団体によってヨシ刈りがしっかりと行われているようで、枯れたヨシ原に前日までの雨水が加わり、まるで稲刈り後の水田の様な環境になっていました。アキアカネたちは、そういった水が少し溜まった所に次々と飛んで来ては産卵を行っていました。
 道東には湿地が無数にあるので、アキアカネの生態から考えればどこででも産卵できるように思えますが、あえてこの場所を選んで集まって来たところを見ると、やはり水田に近い環境が好きなのかもしれません。

 そんな小難しい話はさておき、無数のアキアカネが周囲を飛び交う中での一時は、季節感もあって中々に癒されました。

網走市 2018年9月29日

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会場は枝先

 道東では早くも木の葉の色付きが始まっていますが、時を同じくしてトンボにも秋の気配が漂い始めています。

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キトンボ♂

 数は少ないながらも、既にキトンボの姿が水辺にありました。橙色の翅が仄かに秋を感じさせます。

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シャチホコガ

 枝先にぽつんと止まっていたシャチホコガ。指で突いてみると、名前の通り鯱(しゃちほこ)らしきポーズを取ってくれました。これに気を良くして、しばらくカメラを向けていたところ、、、

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キトンボ♂ & シャチホコガ

 キトンボのオスが、撮影会に参加しに来てくれました。異色コンビのツーショットですね。

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マユタテアカネ♂ & シャチホコガ

 キトンボが席を外したのを見計らうかのように、マユタテアカネもやって来ました(この直後にキトンボに追い払われていましたが)。何の変哲も無い一本の枝先でしたが、賑やかな撮影会場でした。

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最後はみんなで

弟子屈町 2018年9月13日

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制空権を握る

 オオルリボシヤンマのメスの産卵観察の合間に、まわりを飛んでいたオスの勇姿の撮影にも挑戦してみました。

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オオルリボシヤンマ♂:パトロール飛翔

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オオルリボシヤンマ♂:縄張り争い

 この日は少し風が吹いていたので、向かい風を受けて空中静止する場面が多く、飛翔撮影にも好都合でした。既に秋らしい色になりつつある道東の空の下、重量感のある姿は中々に映えますね。

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オオシオカラトンボ♂(左)・シオカラトンボ♂(右)

 水辺には、他にもシオカラトンボやオオシオカラトンボもいたのですが、巨体のオオルリボシヤンマ達がビュンビュンと飛び回っていたため、気が強い(?)彼らも少し大人しくしている感じでした。

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シオカラトンボ♂:クロバエ科の一種を捕食

 とは言いつつも、シオカラトンボ達も残り短い間に世代を繋がなければなりません。再び制空権を握る事を夢見てか、ハエを頭からバリバリと豪快に食らっていました。

弟子屈町 2018年9月13日

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産卵日和

 地震から早くも一週間経ちましたが、ひとまずは生きています。道東地域の揺れは、震源に近い西部に比べたら大した事は無かったのですが、地震が発生した直後の早朝3時台から夜の11時まで丸一日停電してしまったので、生活は少しだけ大変でした。
 今はほぼ元通りの生活に戻りつつありますが、スーパー等の食料品売り場では大豆製品や乳製品がいまだに空で、道東地域唯一の鉄道が不通だったりと、完全に元通りになるのはもう少し先かもしれません。

 そんな大変な時ではありますが、約1ヶ月半ぶりに観察に出られたので、季節の進み具合も感じながらトンボを眺めて来ました。

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オオルリボシヤンマ♂:休憩

 以前に、オオルリボシヤンマの羽化殻を多く確認した水辺へと行ってみました。水辺に着くと、オオルリボシヤンマのオスが数個体飛びまわる姿が早速目に入り、縄張り争いを繰り広げつつも、食事や休憩もしっかりと取っています。

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オオルリボシヤンマ♀(前:緑色型 奥:青色型):産卵

 そして、戦いに明け暮れるオス達を尻目に、メス達はと言えば水辺に横たわる倒木などを飛び回っては忙しそうに産卵を行っていました。

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オオルリボシヤンマ♀(青色型):産卵

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オオルリボシヤンマ♀(緑色型):産卵

 今年がたまたまそうなのかもしれませんが、この水辺ではオオルリボシヤンマの個体数がもの凄く、オス・メス合わせて30〜40個体は飛んでいました。それこそ、岸辺を歩けば1〜2メートルおきにオスかメスの姿が見られ、撮影のために近寄らせてくれる個体を探すのも楽なほどでした。

弟子屈町 2018年9月13日

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死して尚

 知り合いの虫屋さんから、峠であるトンボが吹き上がって来るという話を聞いたので、現場確認に出掛けてきました。

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雲海

 峠に着くと、晴天の下でコヒオドシは沢山飛んでいるのですが、肝心のトンボはその影すら全く見えません。時期的な問題か、年によって違うのかもしれませんが、いずれにしても証拠すら得られなかったので、その正体についてはまた今度。という訳で、たまたま見る事ができた美しい雲海を眺めて早々に降りました。奥にちらっと見えている山は知床連山です。

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エゾヤマザクラ

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クジャクチョウ:羽化

 降りる途中、エゾヤマザクラの葉が何故か色付いていたり、クジャクチョウが羽化していたりと、早くも秋の気配らしき雰囲気がありました。

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クロイトトンボ:連結中にオスが捕食

 前回、クロイトトンボやコサナエを確認した沼地へもう一度足を運んでみたところ、この日は打って変わってトンボの数が少なかったのですが、よ〜く水辺を見ていると、惨劇の後に遭遇しました。なんと、連結帯のクロイトトンボのオスが、何らかの事故に巻き込まれたのか、腹部を残して消えています。しかも、連結は保持されたまま、、、! 死の間際においてもメスを離さない姿には、切なさを通り越して執念すら感じました。
 でも、ちょっと不気味というか、メスからして見ればかなり迷惑な状況ですね。

弟子屈町 2018年7月17日

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普通種の有り難さ

 ようやく天気が落ち着いて来たので、休日となれば、以前からマークしていた水域へと向かう日々です。

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シオカラトンボ♂

 今回は、山中にある沼地の様子を見て来ました。ここは流入・流出河川が見た限りでは無く、水も濁り気味。おまけに岸辺はエゾシカの足跡だらけなのですが、そんな水域でも元気に飛んでいるのがシオカラトンボです。おそらく、今年初めてしっかりと姿を見ましたが、全国的に見られる種だからこそ、その姿を見ると何だかとても落ち着きます。

Kuroito
クロイトトンボ♂

 同じくこちらも全国的に見られるクロイトトンボですが、私の住んでいる地域では、意外にも分布する水域が限られています。シオカラトンボと同様、何度も見て来たはずなのに、改めて見ると中々綺麗なものです。

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オオルリボシヤンマ:羽化のため上陸

 水際には、先日羽化を部分的に観察したオオルリボシヤンマの幼虫が上陸していました。この日は別に天気が悪い訳ではなかったですが、今頃から上陸とは社長出勤ですね。羽化を見届けようかと思ったのですが、目を離した数十秒の隙に姿を消してしまいました。

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コサナエ♂

 この水辺での一番の目的は、実はこのコサナエ。学生時代に、一度ここで見たきりだったので数年間気になっていたのですが、数は若干少ないものの、しっかりと命を繋いでいたようで安心しました。何しろ、道内に分布するサナエトンボ科は本種含めわずか4種ですから、貴重な存在です。

弟子屈町 2018年7月15日

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久々の出会い

 オオルリボシヤンマの羽化現場を離れ、もう一つ気になっていた場所へ向かいました。

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 長雨の影響で水に満たされた林床湿地ですが、トンボ屋やゲンゴロウ屋などの水生昆虫屋さんにとっては飛び込まずにはいられない環境が、道東には至るところにあります。前にここを通りかかった時は、ヨツボシトンボ祭り状態でしたが、この日は至って静かで、ヨツボシトンボの影すらありませんでした。
 しかし、ふと木陰を見れば、立ち並ぶ木の一角にエゾトンボくらいの大きさの影がホバリングしています。

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サラサヤンマ♂

 近付いて見てびっくり! サラサヤンマです。

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♂:休憩

 まさかここにいるとは思いませんでしたが、よく見渡せば、あちらこちらの木のそばでオス達がそれぞれの縄張りをパトロールしつつ、闘争を繰り広げています。その数、約7〜8個体。中には飛ぶのに疲れたのか、目の前で堂々と休憩する個体までいました。

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 本州だと、休耕田などのいつ干上がってもおかしくないような環境にいるイメージでしたが、この湿地の水位もおそらく雨水による日和見なので、生息環境としては申し分無いのでしょう。
 それにしても、久々に見たという事もあってか、本州で見たサラサヤンマよりも小型で色もやや黒っぽい印象を受けました。

弟子屈町 2018年7月8日

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