会場は枝先

 道東では早くも木の葉の色付きが始まっていますが、時を同じくしてトンボにも秋の気配が漂い始めています。

Kitombo1
キトンボ♂

 数は少ないながらも、既にキトンボの姿が水辺にありました。橙色の翅が仄かに秋を感じさせます。

Syachihokoga
シャチホコガ

 枝先にぽつんと止まっていたシャチホコガ。指で突いてみると、名前の通り鯱(しゃちほこ)らしきポーズを取ってくれました。これに気を良くして、しばらくカメラを向けていたところ、、、

Kitombosyachihoko
キトンボ♂ & シャチホコガ

 キトンボのオスが、撮影会に参加しに来てくれました。異色コンビのツーショットですね。

Mayutatesyachihoko
マユタテアカネ♂ & シャチホコガ

 キトンボが席を外したのを見計らうかのように、マユタテアカネもやって来ました(この直後にキトンボに追い払われていましたが)。何の変哲も無い一本の枝先でしたが、賑やかな撮影会場でした。

Akanesyachihoko
最後はみんなで

弟子屈町 2018年9月13日

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制空権を握る

 オオルリボシヤンマのメスの産卵観察の合間に、まわりを飛んでいたオスの勇姿の撮影にも挑戦してみました。

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オオルリボシヤンマ♂:パトロール飛翔

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オオルリボシヤンマ♂:縄張り争い

 この日は少し風が吹いていたので、向かい風を受けて空中静止する場面が多く、飛翔撮影にも好都合でした。既に秋らしい色になりつつある道東の空の下、重量感のある姿は中々に映えますね。

Oosiosiokara
オオシオカラトンボ♂(左)・シオカラトンボ♂(右)

 水辺には、他にもシオカラトンボやオオシオカラトンボもいたのですが、巨体のオオルリボシヤンマ達がビュンビュンと飛び回っていたため、気が強い(?)彼らも少し大人しくしている感じでした。

Siokara
シオカラトンボ♂:クロバエ科の一種を捕食

 とは言いつつも、シオカラトンボ達も残り短い間に世代を繋がなければなりません。再び制空権を握る事を夢見てか、ハエを頭からバリバリと豪快に食らっていました。

弟子屈町 2018年9月13日

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産卵日和

 地震から早くも一週間経ちましたが、ひとまずは生きています。道東地域の揺れは、震源に近い西部に比べたら大した事は無かったのですが、地震が発生した直後の早朝3時台から夜の11時まで丸一日停電してしまったので、生活は少しだけ大変でした。
 今はほぼ元通りの生活に戻りつつありますが、スーパー等の食料品売り場では大豆製品や乳製品がいまだに空で、道東地域唯一の鉄道が不通だったりと、完全に元通りになるのはもう少し先かもしれません。

 そんな大変な時ではありますが、約1ヶ月半ぶりに観察に出られたので、季節の進み具合も感じながらトンボを眺めて来ました。

Ooruribosi_m1
オオルリボシヤンマ♂:休憩

 以前に、オオルリボシヤンマの羽化殻を多く確認した水辺へと行ってみました。水辺に着くと、オオルリボシヤンマのオスが数個体飛びまわる姿が早速目に入り、縄張り争いを繰り広げつつも、食事や休憩もしっかりと取っています。

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オオルリボシヤンマ♀(前:緑色型 奥:青色型):産卵

 そして、戦いに明け暮れるオス達を尻目に、メス達はと言えば水辺に横たわる倒木などを飛び回っては忙しそうに産卵を行っていました。

Ooruribosi_f2

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オオルリボシヤンマ♀(青色型):産卵

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オオルリボシヤンマ♀(緑色型):産卵

 今年がたまたまそうなのかもしれませんが、この水辺ではオオルリボシヤンマの個体数がもの凄く、オス・メス合わせて30〜40個体は飛んでいました。それこそ、岸辺を歩けば1〜2メートルおきにオスかメスの姿が見られ、撮影のために近寄らせてくれる個体を探すのも楽なほどでした。

弟子屈町 2018年9月13日

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死して尚

 知り合いの虫屋さんから、峠であるトンボが吹き上がって来るという話を聞いたので、現場確認に出掛けてきました。

Sea_cloud
雲海

 峠に着くと、晴天の下でコヒオドシは沢山飛んでいるのですが、肝心のトンボはその影すら全く見えません。時期的な問題か、年によって違うのかもしれませんが、いずれにしても証拠すら得られなかったので、その正体についてはまた今度。という訳で、たまたま見る事ができた美しい雲海を眺めて早々に降りました。奥にちらっと見えている山は知床連山です。

Ezoyamazakura
エゾヤマザクラ

Kujyaku
クジャクチョウ:羽化

 降りる途中、エゾヤマザクラの葉が何故か色付いていたり、クジャクチョウが羽化していたりと、早くも秋の気配らしき雰囲気がありました。

Kuroito
クロイトトンボ:連結中にオスが捕食

 前回、クロイトトンボやコサナエを確認した沼地へもう一度足を運んでみたところ、この日は打って変わってトンボの数が少なかったのですが、よ〜く水辺を見ていると、惨劇の後に遭遇しました。なんと、連結帯のクロイトトンボのオスが、何らかの事故に巻き込まれたのか、腹部を残して消えています。しかも、連結は保持されたまま、、、! 死の間際においてもメスを離さない姿には、切なさを通り越して執念すら感じました。
 でも、ちょっと不気味というか、メスからして見ればかなり迷惑な状況ですね。

弟子屈町 2018年7月17日

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普通種の有り難さ

 ようやく天気が落ち着いて来たので、休日となれば、以前からマークしていた水域へと向かう日々です。

Shiokara
シオカラトンボ♂

 今回は、山中にある沼地の様子を見て来ました。ここは流入・流出河川が見た限りでは無く、水も濁り気味。おまけに岸辺はエゾシカの足跡だらけなのですが、そんな水域でも元気に飛んでいるのがシオカラトンボです。おそらく、今年初めてしっかりと姿を見ましたが、全国的に見られる種だからこそ、その姿を見ると何だかとても落ち着きます。

Kuroito
クロイトトンボ♂

 同じくこちらも全国的に見られるクロイトトンボですが、私の住んでいる地域では、意外にも分布する水域が限られています。シオカラトンボと同様、何度も見て来たはずなのに、改めて見ると中々綺麗なものです。

Ooruriboshi
オオルリボシヤンマ:羽化のため上陸

 水際には、先日羽化を部分的に観察したオオルリボシヤンマの幼虫が上陸していました。この日は別に天気が悪い訳ではなかったですが、今頃から上陸とは社長出勤ですね。羽化を見届けようかと思ったのですが、目を離した数十秒の隙に姿を消してしまいました。

Kosanae
コサナエ♂

 この水辺での一番の目的は、実はこのコサナエ。学生時代に、一度ここで見たきりだったので数年間気になっていたのですが、数は若干少ないものの、しっかりと命を繋いでいたようで安心しました。何しろ、道内に分布するサナエトンボ科は本種含めわずか4種ですから、貴重な存在です。

弟子屈町 2018年7月15日

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久々の出会い

 オオルリボシヤンマの羽化現場を離れ、もう一つ気になっていた場所へ向かいました。

Swamp

 長雨の影響で水に満たされた林床湿地ですが、トンボ屋やゲンゴロウ屋などの水生昆虫屋さんにとっては飛び込まずにはいられない環境が、道東には至るところにあります。前にここを通りかかった時は、ヨツボシトンボ祭り状態でしたが、この日は至って静かで、ヨツボシトンボの影すらありませんでした。
 しかし、ふと木陰を見れば、立ち並ぶ木の一角にエゾトンボくらいの大きさの影がホバリングしています。

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サラサヤンマ♂

 近付いて見てびっくり! サラサヤンマです。

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♂:休憩

 まさかここにいるとは思いませんでしたが、よく見渡せば、あちらこちらの木のそばでオス達がそれぞれの縄張りをパトロールしつつ、闘争を繰り広げています。その数、約7〜8個体。中には飛ぶのに疲れたのか、目の前で堂々と休憩する個体までいました。

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 本州だと、休耕田などのいつ干上がってもおかしくないような環境にいるイメージでしたが、この湿地の水位もおそらく雨水による日和見なので、生息環境としては申し分無いのでしょう。
 それにしても、久々に見たという事もあってか、本州で見たサラサヤンマよりも小型で色もやや黒っぽい印象を受けました。

弟子屈町 2018年7月8日

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晴れ待ち

 朝方、ふっと目が覚めたので外の音に耳をすませれば、屋根や樹々を打つ雨の音。「今日も雨か、、、」と、二度寝したその2時間後に目覚めれば、雨の止んだ雲の切れ間から青空が覗いています。
 これは逃すまいと、急いで準備して前から気になっていた沼に足を運びました。

Shiroobihimehikage
シロオビヒメヒカゲ

 沼へと向かう草深い道すがら、目の前をチラチラと飛び回るジャノメチョウをよく見ると、どうも見慣れない模様の種類です。案の定、北海道にしか分布していないシロオビヒメヒカゲでした。
 目的違いとは言え、これは幸先が良いです。

Kitaito
キタイトトンボ :カの一種を捕食

 水辺に到着すると、そこはキタイトトンボ&ルリイトトンボとヨツボシトンボのお祭り騒ぎでした。イトトンボ類が沢山いるという事なので、他にも止水性のトンボが何かしらいるのが期待できそうです。
 という訳で、岸辺を見ながら進むと、オオルリボシヤンマの抜け殻が。

Ooruribosi1
オオルリボシヤンマ♂:定位

 と思いきや、次の瞬間にはぴくりと動いたので、なんと羽化に向けて定位中でした。朝方の天気が悪かったとは言え、この時点での時間は正午過ぎ! 晴れ間を待っていたのだとしても、これからの羽化とは予想外でしたが、運が良いので観察を開始しました。

Ooruriboshi15

Ooruribosi2

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オオルリボシヤンマ♂:羽化

 定位の確認から約20分後には羽化を開始して、あれよあれよと言う間に全体が出て、翅の伸長まで至りました。大型種なので、もう少しゆっくりなのかと思っていたのですが、ここまでは意外に早いものです。飛び立つまで見届けようかと思ったのですが、雨上がりのしかも北海道なので7月と言えども水が冷たい!

Ooruribosi4

 羽化の環境は一見ごちゃっとしていますが、実は池の中。例によって、岸辺にできた腐食植物を土台にした半浮き島です。丁度腰の辺りまで水に浸かっている姿勢での観察だったので、結構冷えました、、、。

弟子屈町 2018年7月8日

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幻想

 6月の末頃から雨が続き、湿度が格段に上がりました。通称『蝦夷梅雨』と言うらしいですが、故郷東京でこれまで体験していた梅雨に比べれば、まだマシかもしれません。とりあえず、かつて勝手に抱いていた『北海道に梅雨は無い』というのは幻想でした。

Miyamamatatabi
ミヤママタタビ

Hakusansyakunage
ハクサンシャクナゲ

 そんな勝手な幻想はさておき、春の花に満ちあふれていた時期とは違って、今の野山は少しひっそりとしています。雨上がりの薄暗い森の中、ミヤママタタビの白光りする葉やハクサンシャクナゲが、幻想的に輝いていました。

Tairiku
タイリクアカネ♀

Aoitoto
アオイトトンボ♀

 雨に濡れた湿地で、胴長をびしょびしょにしながら見てまわったところ、未熟なタイリクアカネとアオイトトンボが静かに止まっていました。特にタイリクアカネは昨年秋に何度も見ていたのですが、未熟な個体は雰囲気が全然違うので、「何だこのトンボ!?」と、思わず声が出てしまったほどです。

 続々とトンボが現れる中、そろそろ晴れ間が欲しいこの頃です。

弟子屈町 2018年7月7日

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甲羅干し

Kitaito1
キタイトトンボ♂

 午後から雷雨の予報となったこの日、天気が崩れない内に、昨年キタイトトンボを確認した水辺を見てきました。
 水辺にはルリイトトンボやヨツボシトンボが既に飛び交っており、岸辺の草むらを覗き込むと、やや未熟なキタイトトンボがひっそりと止まっていました。前回の記事でさらっと書いてしまいましたが、道東に越してからほぼ一年が経ち、越してから最初の記録でキタイトトンボを紹介したので、あれからもう一年経ったのかと観察しながら染み染み感じました。

Kitaito2
キタイトトンボ♀

 こちらはキタイトトンボのメスで、同じくやや未熟な個体です。昨年はメスを確認できなかった(見過ごしていた?)のですが、腹部の上側に金属光沢があって、小さいながらもハッとする美しさです。

Ooshimagengorou
オオシマゲンゴロウ♀?

 水面に目を向けると、浮き草の上で中型のゲンゴロウが甲羅干し(?)をしていました。模様からして、オオシマゲンゴロウの様な感じがしますが、どうでしょう・・・。
 研究室の同期がかつて、「ゲンゴロウ類は甲羅干しをする」と教えてくれたのですが、丁度この時は陽の光がさんさんと降り注いでおり、これがそれなのかなぁと少々考えてしまいました。

Amagaeru
ニホンアマガエル

 別の場所にも行こうかと思った矢先、遠く山の向こうから雷の音が聞こえて来たので、素直に撤退しました。

弟子屈町 2018年6月24日

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開幕

 週末の寒さから一転して暑いほどの気温になったので、水辺の様子を見て来ました。

Kusasotetu
クサソテツ(コゴミ)

Ezonotatitubo
エゾノタチツボスミレ

 植物の動きが著しいので、気がつけばそこら中でクサソテツが葉を広げ始め、間からは負けじとエゾノタチツボスミレが咲いていました。

 そして、水辺には遂に待ちに待った姿が!

Otunen1
オツネントンボ♀

Otunen2
オツネントンボ♂

 以前からトンボ的に怪しいと思っていた場所を覗き込むと、オツネントンボがちらちらと飛んでいました。氷点下20℃の冬場、一体どこでどうやって越冬していたのかと思いますが、出て来てくれた事に感謝です。
 複眼をじっくり見ると、成熟個体特有の青みがかった色が薄らと見えました。

Otunen3
オツネントンボ♀:産卵

 嬉しい事に産卵も行っていました。単独で産卵を行っていたメスが、逃げる素振りを全く見せなかったので、終わるまでじっくりと見させてもらいました。トンボの姿に飢えていた身にとっては、とても嬉しい一時です。

Yotubosi
ヨツボシトンボ♂

Swamp

 生息地はこんな感じです。一見すると浅そうに見えますが、水深は深いところで60センチほど。例によって、底は腐食植物が堆積した底なし沼状態なので、実際の水深はプラス20〜30センチ増しというところです。手前のヨシ原らしき部分も実は浮き島で、知らずに乗った時に踏み抜いて、危うく顔からダイブするところでした。ヨツボシトンボも数個体飛んでいたので、今後も期待できそうです。

 とにもかくにも、ようやく道東のトンボシーズンが開幕です。

弟子屈町 2018年5月22日

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