熱中は禁物

 折角道東で暮らす事になったので、大学の卒業研究で調査を行った水域の様子を見に行って来ました。

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ルリボシヤンマ♂

 調査地の一つだった森林内の湿地帯に訪れると、以前と変わらずにルリボシヤンマやモリトンボが飛び交っていました。再び調査地に戻る事ができたのは幸運とも言えるので、卒業研究でやり残した事を補完するべく、個人的に今後も調査を継続して行こうかと思います。

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オニクワガタ♂

 湿地のそばに落ちていた木片の上には、オニクワガタの姿も。本州では、山地や高山帯のブナ林等でしかお目にかかれないそうですが、北海道では平地で普通に見られるようです。小さいクワガタですが、短くもがっしりとした大顎がなかなか格好良いですね。

Karasuageha
吸水するミヤマカラスアゲハたち

 ルリボシヤンマやオニクワガタを小一時間眺めた後、近くの湖岸にも行ってみたところ、ミヤマカラスアゲハが点々と集まって吸水していました。

 この写真を撮影した直後、水際の砂地をふと見ると、直径20センチ以上はあるヒグマの真新しい足跡が・・・! 写真を撮るのも忘れ、手を叩いたりしてなるべく大きな音を出しながら、すぐに車へと撤退しました。侮るなかれ北海道!
 思い返せば、学生時は単独かつ自転車でこの調査地まで通っていたので、今考えれば命知らずもいいところです。・・・とか言いつつ、そこへ再び一人で来ている始末ですが。

 今回は、足跡で済みましたが、観察・撮影にせよ、採集にせよ、トンボに熱中し過ぎて周辺への警戒を怠ると、「あっ、やせいのヒグマが飛び出してきた!」(ポ◯モン風)などという事も十分あり得るので、それなりの緊張感を持ってフィールドに出ようと痛感しました。

弟子屈町 2017年8月8日

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北の彼方から

 北の大地からこんにちは。
 7月から道民となり、この一ヶ月はヒグマと戦う事もなく平和に過ごして、仕事や生活にも少しずつ慣れてきました。住んでいるのが道東の田舎町なのですが、生活面では今の所不自由もなく、自然も豊かなところです。
 東京者からすると、北海道には涼しい印象を持ってしまいますが、この時期だと晴れた日の気温は30℃以上まで上がるので、意外と暑いものです。ただ、東京と違って湿度が低く、朝晩は窓を開けて寝られないほど涼しくなるのが幸いですが。そして、豊かな自然を象徴するかの様に、昼夜問わず飛び交う昆虫の多さには目を見張ります(特に蛾とハエ・アブ類)。

 新しい仕事と生活にも慣れて来たので、昆虫の多さに期待しつつ、移住後初のトンボ観察に行って来ました。

Kitaito
キタイトトンボ♂

 東京を発つ前に、「北海道のトンボを紹介できれば、、、」と豪語してしまったので、有言実行という事でまずはこのキタイトトンボから。
 発見した場所では、ルリイトトンボと混じって飛んでいたので一瞬わかりませんでしたが、よく見れば青色の濃さが全然違います。道内にはキタイトトンボの他にも、エゾイトトンボやオゼイトトンボ、ルリイトトンボと青系のイトトンボが多いので、パッと見で見分けられる境地に早く達したいものです。

Ruriito
ルリイトトンボ:潜水産卵(中央)と飛翔する♂

 道内ではお馴染みのルリイトトンボも。かつての卒業研究の折に、毎日の様に顔を合わせていましたが、久々に目にするとその青空の様な色につい見とれてしまいます。

Kohiodosi
コヒオドシ

Tanchyou
麦畑の中のタンチョウ

 海抜は120メートルの地域なのですが、本州では高山帯に分布するコヒオドシやクジャクチョウが飛んでいたり、畑の中にタンチョウがぽつんといる姿を見ると、やはりここは北海道だと実感します。
 という訳で、これからの長い道東での生活も、これまでと同様にトンボを追いかけながら送って行こうと思います。

弟子屈町 2017年7月29日

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ウスバキトンボの気分

Siokara
シオカラトンボ♂(未熟):ヒメウラナミジャノメを捕食

Onaga
オナガサナエ♂(未熟):休止

 この2ヶ月間、音信不通となっていましたが、いよいよ北の大地へと旅立つ事となりました。
 おそらくは、残りの生涯のほとんどを北海道で過ごす事になるかと思いますので、ウスバキトンボよろしく、新天地に骨を埋める覚悟で生きていこうと思います。次に更新する時は、北海道のトンボを紹介できれば良いのですが、一先ずは、ヒグマに食べられないように精々気をつけることにします。

神奈川県
 2017年5月8日:シオカラトンボ
 2017年6月26日:オナガサナエ

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煌めき

 ゴールデンウィークの後半は、川のトンボの様子を見て来ました。

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ダビドサナエ

 今回訪れた川では、水面から突き出た岩や岸辺の草にダビドサナエの抜け殻が多く見られ、羽化の時期は既に終盤という雰囲気でした。そんな中、今しがた水中から上がって来たばかりと思われる幼虫の姿を発見。そばに腰を据えて、羽化を見届ける事にしました。

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ダビドサナエ♀:羽化

 足場が中々気に入らなかったのか、脚を取っ替え引っ替えしつつ優に一時間をかけてから、ようやく羽化を始めました。実は、中々羽化が始まらなかったので、周辺の様子を見に1分ほど場を外したのですが、それを待っていたのか否か、戻って来た時には既に頭が出ていたというオチです・・・。
 羽化を始めたらあっという間で、途中で川面の風に流されながらも、さっきまで自分が入っていた殻にしがみつき、翅の展開が終わると直ぐさま飛び立って行きました。

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ダビドサナエ♀:羽化(別の個体)

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 最初の個体を見届けてから川を離れようとしたところ、少し離れた場所でも別の個体が殻から出ようとしてました。翅の展開後、こちらはしばらく留まってくれたので、せせらぎの音を聞きながら、初々しい翅の煌めきにしばし心を奪われました。

東京都 2017年5月6日

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静と動

 前回のコサナエに関しての補足ですが、楽園に潜む影(?)が蠢く場面がありました。

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怪しいツチガエル

 観察中、「ぎゅっぎゅっ」というツチガエルの鳴き声が聞こえて来ていたのですが、羽化中のコサナエの傍らをふと見れば、何やら怪しげな雰囲気のツチガエルの姿が。

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コサナエ(上とは別個体)に食らいついたツチガエル

 そして案の定、羽化中のコサナエに食らいつく場面も目撃してしまいました。どうやら、翅を伸ばしている時の揺れるような動きや、風に流されて体勢を戻す時の動きに反応してしまようで、捕食というよりも、条件反射で食らい付いているような気がしました。どちらにしても、一度こうなってしまうと羽化は失敗に終わるので、正に楽園の裏側を感じた瞬間でした。

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シオヤトンボ:交尾

 コサナエ観察を満喫したあと、陽当たりの良い湿地に場所を移し、今が盛りのシオヤトンボの楽園にも目を向けました。

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シオヤトンボ:産卵の合間の飛翔

 時折、どこからともなくメスがやって来てカップルが成立していたのですが、対してオスの数があまりにも多く、折角産卵を始めても、すぐさま別のオスに連れ去られるという事がほとんどでした。仕舞いにはメスも疲れたのか、ひたすら交尾拒否をする個体もいる始末・・・。他のオスから邪魔されず、落ち着いて産卵を行えていたのはほんの一握りでした。

Hosomi
ホソミイトトンボ♂

 午前中はコサナエの羽化、午後はシオヤトンボの闘争と産卵と、「静」と「動」の楽園を堪能した一日でした。

東京都 2017年5月5日

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楽園

 ゴールデンウィークの折り返し、天気が連日すこぶる良いので、久々にコサナエの楽園の様子を見に行って来ました。

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コサナエ♀(左奥:羽化)・♂(中央)

 8時頃に現場に着き、陽が当たり始めた池の岸を覗き込むと、抜け殻のそばで既に羽化を始めていた個体がいました。そして、その手前をよく見れば、正に上陸したばかりの幼虫も! 幸先が良いので、波を立てないように細心の注意を払いながら水に入り、早速観察を開始しました。

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コサナエ♀(左奥)・♂(右):羽化

 「岸」と行っても、岸辺に溜まった落ち葉の上で羽化していたので、事実上水面と変わりありません。もう少し上がっても良いのでは? と思うのですが、半ば腹部が水に浸りながらも羽化を決行するので、こちらも胸まで水に浸かりながらの観察となりました。

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コサナエ♂(両個体共に):羽化

 そして、ふと気がつけば羽化中の個体の後ろから、新たな幼虫が上陸! 移動するかと思いきや、なんとそのまま羽化を始めました。このままだと前に羽化していた個体に干渉するのでは・・・、と思っていたら、それを察したのか否か、先に羽化していた個体がすぐに飛び立って行きました。

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コサナエ♂:羽化

 先に羽化していた2個体が飛び去った後、最後の個体は伸び伸びと羽化を行い、無事に飛び立って行きました。水面ぎりぎりでの羽化というのは格好良いものですが、胴長を新調した事に余裕をこいて姿勢を下げ過ぎ、中に水が流れ込んでしまいました。

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コサナエ♀(左)・♂(右):羽化

 中には、こんな羽化現場も。2個体並んでというのも然ることながら、オス・メス並んで、しかも向き合っての羽化というのは絵になりますね。

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 仲良く飛んで行くかと思いきや、メスの方が羽化を早々と終えて飛び去って行きました。
 何度か訪れた事はありましたが、ここまで素晴らしい楽園であったとは、嬉しさよりも驚きの方が大きい一時でした。

東京都 2017年5月5日

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睨み合い

 今期は残念ながらムカシトンボの羽化をちゃんと観察できていませんが、気が付けばぼちぼち産卵も始まっている事だろうと思い、永らく後回しにしていた産卵風景を観察するべく、数年前に訪れた場所に足を運びました。

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ニホンカナヘビ

 現場に付いて上から沢を覗き込むと、遠目にムカシトンボらしき影が移動するのが見えたので、通りそうな場所近くの岩に腰掛け、日光浴をするニホンカナヘビを横目に到来を待ちました。

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ムカシトンボ♂:パトロール飛翔

 しばらくすると、ムカシトンボのオスがふっと現れ、沢沿いの茂みを覗き込むようにパトロールを始めました。私が腰掛けていた目の前を通り過ぎるとき、やはり異質な存在(私)が気になったのか、数秒間ホバリングしつつ銀色の目でこちらを睨みつける場面も・・・。

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ムカシトンボ♀:産卵

 そしてその後、オス達のパトロールがふっと途絶えるのと同時に、どこからともなくメスが現れ、目の前の岩場に茂っていたジャゴケで産卵を始めてくれました。噂に違わず敏感で、こちらの一挙手一投足に直ぐさま反応して飛んでしまうので、写真は撮れたものの、まだまだ辛抱が足りないなぁと痛感しました。
 個人での観察ではやや不振気味でしたが、今回についてはムカシトンボの歩調を辛うじて捉える事ができて、一安心です。

神奈川県 2017年4月30日

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下準備

 前回の観察から約1ヶ月半が経過したので、地元の公園の状況を見に行って来ました。

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シオカラトンボ♀

 池の畔の草むらにそっと目を向けると、今朝方羽化したばかりと思われるシオカラトンボが静かに止まっていました。もうしばらくすれば、我が物顔で水面を飛び交う事となるでしょう。

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ジュウニヒトエ

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スミレ

 午後から崩れるという天気予報の前触れか、次第に強くなる風の中で、散ったクヌギの花に埋もれつつも、ジュウニヒトエやスミレが可憐に咲いていました。
 公園を一回りした段階で風が強まったので撤退し、ゴールデンウィーク中のトンボ観察の準備のために、胴長を新調して来ました(前回の観察時に穴が開いていた事が発覚していたのですが、構わず強行しました)。これで、心置きなくトンボと向き合う事ができるというものです。

東京都 2017年4月29日

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見極め

 川辺でサナエトンボ達の羽化を見届けた後、以前にオツネントンボを観察した場所にも足を運びました。

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オツネントンボ:産卵

 枯れたガマの葉と、今年芽吹いたばかりのガマの新芽が散在する水際を覗き込むと、オツネントンボのペアが、ガマの葉先でゆっくりと蛇行するように動きながら産卵を行っていました。
 特にこのペアは非常に大人しく、接近術が鈍っていた私でも楽々近づけたほどです。接近術については、少しずつ身に付いては来たかなと思うのですが、『近寄らせてくれる個体に出会えるか・見極めるか』というのも大事ですね。

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オツネントンボ:集団産卵

 ほんの十数秒だけでしたが、このような素晴らしい瞬間も訪れました。それこそ、個体数の多い地域に行けば、これと同様の光景を見る事は容易いはずですが、東京にいながらにして観察できるというのは、何とも贅沢です。

 気がつけば桜はとうの昔に散って、これから季節が一週間刻みで変化して行くので、少しの違いにも注意を向けて動こうと思います。

東京都 2017年4月23日

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ホバークラフト

 年明け辺りから、今年の春こそはホンサナエの羽化を観察したい! と思っていたので、東京昆虫記のkojeeeさんによる再びの指導の元、観察に行って来ました。

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ダビドサナエ

 現地に着いて岸辺に目を向けると、羽化のために上陸したダビドサナエの幼虫を早速発見。良い場所を探すため、てくてくと忙しく歩いていました。

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ヤマサナエ

 そんな中、水面からのっそりと上がって来たヤマサナエも発見しました。kojeeeさん曰く『ホバークラフトの様な上陸』という表現が、実に的を得ています。散ったサクラの残骸(萼:がく?)を体に付けて、いかにも春らしい出で立ちです。

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ヤマサナエ♂:羽化(上とは別個体)

 昨年はタイミングが合わず観察できなかったので、羽化の一部始終を見届ける事にしました。大型のトンボではありますが、羽化開始から羽の伸長が終わるまで一時間程度という早さで進む姿を見ると、やはりサナエトンボらしいなと思います。

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アオサナエ♂:羽化

 驚きだったのが、こちらのアオサナエ。数年前のゴールデンウィークの時に、羽化の最盛期に当たった印象があまりに強かったのですが、東京での第一陣の発生は丁度今くらいからとの事でした。そして肝心のホンサナエの方ですが、今回訪れた場所に関しては発生数が少なかったようで、春先に羽化したのが最初にして最後だったみたいです・・・。
 ですが、ヤマナサナエやアオサナエの羽化を久々に観察できましたし、ホンサナエについては北海道にも分布しているので、今後の楽しみとして取っておく事にします。

東京都 2017年4月23日

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