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赤や黄色の

Autumu

 赤や黄色の木の葉が山肌を染める頃、水辺にも赤や黄色が飛び交っています。

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キトンボ♂・連結帯

 昨年の晩秋にキトンボを観察した水辺を再び訪れてみると、今年も元気に飛んでいました。と言うよりも、昨年よりも遥かに個体数が多く、マユタテアカネやシオカラトンボを圧倒していたほどでした。着いた時間は午前中で、見れば多くのキトンボが相手を見つけて連結帯を作っています。

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キトンボ:産卵(*左端のみマユタテアカネ)

 しばらくすると、狙い済ましたかのように各所で産卵が始まりました。てっきり、岸辺の湿った泥などに産卵するかと思っていたのですが、今回見たほとんどのペアは、水没した倒木や樹の根元などを選んで産卵を行っていました。

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キトンボ:産卵

 特に人気の場所だったのが、このような苔むした倒木でした。キトンボの産卵方式は、腹部の先を水面に一度付けて水滴をまとい、水面や泥などへ水滴と一緒に卵を打ち付ける『打水・打泥式』『接水打空産卵*』ですが、苔に向かってこの動作をしていると、タカネトンボなどのエゾトンボ科の産卵風景とも重なります。

 一時は水辺の至る所で産卵が繰り広げられ、目移りするほどだったのですが、遠く彼方で正午を告げる時報が聞こえたのを皮切りに、程なくしてピタッと見られなくなりました。トンボの中には、『産卵は午前中に集中して確認される』という生態情報が記録された種が複数おり本種その一つですが、こうまで時間帯に正確だとは思いもしませんでした。

*:近年、日本トンボ学会内で提唱された呼称に統一しました。

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キトンボ♂:ちょっと失礼、、、

 午後になると、みんな思い思いの場所で日光浴をしたり、体の手入れをしたりして、産卵の疲れを癒していました。

 トンボたちの日光浴に使ってもらおうかと、捕虫網を地面に置いて広げていたのですが、やはり置いた途端に次々に集まってきました。日光浴するのは別に良いのですが、リラックスのしすぎなのかどうか、網の上で堂々と糞をする個体までいる始末です、、、

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複眼の手入れをする♂(上)・♀(下)

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日光浴をするキトンボ♂ & マユタテアカネ♂

 のべ2日かけて観察を行いましたが、産卵を行う時間帯がかなり限られていた上に、見ていた限りでは、複数のペアが同じ場所で固まって産卵している様に思えました。単純に、産卵に適した場所が限られていたのか、あるいは一つのペアが産卵している姿に触発されて他のペアが集まって来るのかどうかはわかりませんが、いずれにしても興味深い光景ではありました。来年も変わらずに出て来てくれる事を祈るばかりです。

弟子屈町 2018年10月13・17日

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