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死して尚

 知り合いの虫屋さんから、峠であるトンボが吹き上がって来るという話を聞いたので、現場確認に出掛けてきました。

Sea_cloud
雲海

 峠に着くと、晴天の下でコヒオドシは沢山飛んでいるのですが、肝心のトンボはその影すら全く見えません。時期的な問題か、年によって違うのかもしれませんが、いずれにしても証拠すら得られなかったので、その正体についてはまた今度。という訳で、たまたま見る事ができた美しい雲海を眺めて早々に降りました。奥にちらっと見えている山は知床連山です。

Ezoyamazakura
エゾヤマザクラ

Kujyaku
クジャクチョウ:羽化

 降りる途中、エゾヤマザクラの葉が何故か色付いていたり、クジャクチョウが羽化していたりと、早くも秋の気配らしき雰囲気がありました。

Kuroito
クロイトトンボ:連結中にオスが捕食

 前回、クロイトトンボやコサナエを確認した沼地へもう一度足を運んでみたところ、この日は打って変わってトンボの数が少なかったのですが、よ〜く水辺を見ていると、惨劇の後に遭遇しました。なんと、連結帯のクロイトトンボのオスが、何らかの事故に巻き込まれたのか、腹部を残して消えています。しかも、連結は保持されたまま、、、! 死の間際においてもメスを離さない姿には、切なさを通り越して執念すら感じました。
 でも、ちょっと不気味というか、メスからして見ればかなり迷惑な状況ですね。

弟子屈町 2018年7月17日

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普通種の有り難さ

 ようやく天気が落ち着いて来たので、休日となれば、以前からマークしていた水域へと向かう日々です。

Shiokara
シオカラトンボ♂

 今回は、山中にある沼地の様子を見て来ました。ここは流入・流出河川が見た限りでは無く、水も濁り気味。おまけに岸辺はエゾシカの足跡だらけなのですが、そんな水域でも元気に飛んでいるのがシオカラトンボです。おそらく、今年初めてしっかりと姿を見ましたが、全国的に見られる種だからこそ、その姿を見ると何だかとても落ち着きます。

Kuroito
クロイトトンボ♂

 同じくこちらも全国的に見られるクロイトトンボですが、私の住んでいる地域では、意外にも分布する水域が限られています。シオカラトンボと同様、何度も見て来たはずなのに、改めて見ると中々綺麗なものです。

Ooruriboshi
オオルリボシヤンマ:羽化のため上陸

 水際には、先日羽化を部分的に観察したオオルリボシヤンマの幼虫が上陸していました。この日は別に天気が悪い訳ではなかったですが、今頃から上陸とは社長出勤ですね。羽化を見届けようかと思ったのですが、目を離した数十秒の隙に姿を消してしまいました。

Kosanae
コサナエ♂

 この水辺での一番の目的は、実はこのコサナエ。学生時代に、一度ここで見たきりだったので数年間気になっていたのですが、数は若干少ないものの、しっかりと命を繋いでいたようで安心しました。何しろ、道内に分布するサナエトンボ科は本種含めわずか4種ですから、貴重な存在です。

弟子屈町 2018年7月15日

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久々の出会い

 オオルリボシヤンマの羽化現場を離れ、もう一つ気になっていた場所へ向かいました。

Swamp

 長雨の影響で水に満たされた林床湿地ですが、トンボ屋やゲンゴロウ屋などの水生昆虫屋さんにとっては飛び込まずにはいられない環境が、道東には至るところにあります。前にここを通りかかった時は、ヨツボシトンボ祭り状態でしたが、この日は至って静かで、ヨツボシトンボの影すらありませんでした。
 しかし、ふと木陰を見れば、立ち並ぶ木の一角にエゾトンボくらいの大きさの影がホバリングしています。

Sarasa1

Sarasa2
サラサヤンマ♂

 近付いて見てびっくり! サラサヤンマです。

Sarasa3
♂:休憩

 まさかここにいるとは思いませんでしたが、よく見渡せば、あちらこちらの木のそばでオス達がそれぞれの縄張りをパトロールしつつ、闘争を繰り広げています。その数、約7〜8個体。中には飛ぶのに疲れたのか、目の前で堂々と休憩する個体までいました。

Sarasa4

 本州だと、休耕田などのいつ干上がってもおかしくないような環境にいるイメージでしたが、この湿地の水位もおそらく雨水による日和見なので、生息環境としては申し分無いのでしょう。
 それにしても、久々に見たという事もあってか、本州で見たサラサヤンマよりも小型で色もやや黒っぽい印象を受けました。

弟子屈町 2018年7月8日

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晴れ待ち

 朝方、ふっと目が覚めたので外の音に耳をすませれば、屋根や樹々を打つ雨の音。「今日も雨か、、、」と、二度寝したその2時間後に目覚めれば、雨の止んだ雲の切れ間から青空が覗いています。
 これは逃すまいと、急いで準備して前から気になっていた沼に足を運びました。

Shiroobihimehikage
シロオビヒメヒカゲ

 沼へと向かう草深い道すがら、目の前をチラチラと飛び回るジャノメチョウをよく見ると、どうも見慣れない模様の種類です。案の定、北海道にしか分布していないシロオビヒメヒカゲでした。
 目的違いとは言え、これは幸先が良いです。

Kitaito
キタイトトンボ :カの一種を捕食

 水辺に到着すると、そこはキタイトトンボ&ルリイトトンボとヨツボシトンボのお祭り騒ぎでした。イトトンボ類が沢山いるという事なので、他にも止水性のトンボが何かしらいるのが期待できそうです。
 という訳で、岸辺を見ながら進むと、オオルリボシヤンマの抜け殻が。

Ooruribosi1
オオルリボシヤンマ♂:定位

 と思いきや、次の瞬間にはぴくりと動いたので、なんと羽化に向けて定位中でした。朝方の天気が悪かったとは言え、この時点での時間は正午過ぎ! 晴れ間を待っていたのだとしても、これからの羽化とは予想外でしたが、運が良いので観察を開始しました。

Ooruriboshi15

Ooruribosi2

Ooruribosi3
オオルリボシヤンマ♂:羽化

 定位の確認から約20分後には羽化を開始して、あれよあれよと言う間に全体が出て、翅の伸長まで至りました。大型種なので、もう少しゆっくりなのかと思っていたのですが、ここまでは意外に早いものです。飛び立つまで見届けようかと思ったのですが、雨上がりのしかも北海道なので7月と言えども水が冷たい!

Ooruribosi4

 羽化の環境は一見ごちゃっとしていますが、実は池の中。例によって、岸辺にできた腐食植物を土台にした半浮き島です。丁度腰の辺りまで水に浸かっている姿勢での観察だったので、結構冷えました、、、。

弟子屈町 2018年7月8日

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幻想

 6月の末頃から雨が続き、湿度が格段に上がりました。通称『蝦夷梅雨』と言うらしいですが、故郷東京でこれまで体験していた梅雨に比べれば、まだマシかもしれません。とりあえず、かつて勝手に抱いていた『北海道に梅雨は無い』というのは幻想でした。

Miyamamatatabi
ミヤママタタビ

Hakusansyakunage
ハクサンシャクナゲ

 そんな勝手な幻想はさておき、春の花に満ちあふれていた時期とは違って、今の野山は少しひっそりとしています。雨上がりの薄暗い森の中、ミヤママタタビの白光りする葉やハクサンシャクナゲが、幻想的に輝いていました。

Tairiku
タイリクアカネ♀

Aoitoto
アオイトトンボ♀

 雨に濡れた湿地で、胴長をびしょびしょにしながら見てまわったところ、未熟なタイリクアカネとアオイトトンボが静かに止まっていました。特にタイリクアカネは昨年秋に何度も見ていたのですが、未熟な個体は雰囲気が全然違うので、「何だこのトンボ!?」と、思わず声が出てしまったほどです。

 続々とトンボが現れる中、そろそろ晴れ間が欲しいこの頃です。

弟子屈町 2018年7月7日

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