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灼熱の記憶

Forest

 エゾヤマザクラがあっという間に散ってしまい、気がつけば新緑が眩しい時期になりました。

Miyamahansyouzuru
ミヤマハンショウヅル

Kushirowachigaisou
クシロワチガイソウ

Aodaisyou
アオダイショウ

 カッコウやエゾハルゼミの声が響く中、ムカシトンボを探してとある林道(以前とは別の)を訪れたのですが、2万5千分の1地図をどう見比べても沢や林道の位置が所々で違っており、この数年の間にかなりの撹乱があったようでした。道端の草花を眺めつつ、不意に茂みから現れたアオダイショウに驚きながらも奥まで進みましたが、羽化の痕跡や素早く飛ぶ黒い影も無く、意外にも本州の様にはすんなりと行かないようです。

 しかし、収穫無しかと引き返してしばらくした時、不意に足下へ現れたあるチョウに目が釘付けになりました。

Cyamadaraseseri
チャマダラセセリ

 なんと、チャマダラセセリです。いやまさか、見渡しても荒れ地や草地が無い林道で出くわすとは思ってもいませんでしたが、林道の轍(わだち)には食草のミツバツチグリがわずかに生えており、もしかしたら、深そうに見える森のどこかに、秘密の草地でもあったのかもしれません。

 そういえば、かれこれ5年前。蝶屋の先輩に誘われて関東北部へ本種を探しに行った事がありましたが、あの時は真夏でしかも終日晴れで、生息地は日影が皆無の場所だったので、灼熱の太陽光の下、乾涸びる思いで探した記憶が残っています。
 今回も終日晴れで、25℃越えの北海道としては暑い日でしたが、どうもチャマダラセセリには灼熱の記憶がセットで付きそうです。

道東 2018年5月29日

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開幕

 週末の寒さから一転して暑いほどの気温になったので、水辺の様子を見て来ました。

Kusasotetu
クサソテツ(コゴミ)

Ezonotatitubo
エゾノタチツボスミレ

 植物の動きが著しいので、気がつけばそこら中でクサソテツが葉を広げ始め、間からは負けじとエゾノタチツボスミレが咲いていました。

 そして、水辺には遂に待ちに待った姿が!

Otunen1
オツネントンボ♀

Otunen2
オツネントンボ♂

 以前からトンボ的に怪しいと思っていた場所を覗き込むと、オツネントンボがちらちらと飛んでいました。氷点下20℃の冬場、一体どこでどうやって越冬していたのかと思いますが、出て来てくれた事に感謝です。
 複眼をじっくり見ると、成熟個体特有の青みがかった色が薄らと見えました。

Otunen3
オツネントンボ♀:産卵

 嬉しい事に産卵も行っていました。単独で産卵を行っていたメスが、逃げる素振りを全く見せなかったので、終わるまでじっくりと見させてもらいました。トンボの姿に飢えていた身にとっては、とても嬉しい一時です。

Yotubosi
ヨツボシトンボ♂

Swamp

 生息地はこんな感じです。一見すると浅そうに見えますが、水深は深いところで60センチほど。例によって、底は腐食植物が堆積した底なし沼状態なので、実際の水深はプラス20〜30センチ増しというところです。手前のヨシ原らしき部分も実は浮き島で、知らずに乗った時に踏み抜いて、危うく顔からダイブするところでした。ヨツボシトンボも数個体飛んでいたので、今後も期待できそうです。

 とにもかくにも、ようやく道東のトンボシーズンが開幕です。

弟子屈町 2018年5月22日

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足のサイズは?

 折角暖かくなって来たと思ったのですが、週末から気温が低くなり、朝晩の気温が2〜3℃までに戻ってしまいました、、、。ストーブを点けなくなる日はいつなのか、そしてトンボが出るのはいつなのかと日々思いながら、観察眼が鈍らないように歩く日々です。

Ookamenoi
オオカメノキ

Tubameomoto
ツバメオモト

Katura
カツラ

Amigasatake
アミガサタケ

 今にも冷たい雨が降りそうな天気にびくびくしながら観察を終えた帰り際、こちらに来てから知り合った現地に長く住む方と出くわし、世間話をすると「真新しいヒグマの足跡を見つけた」と聞きました。という訳で、お願いして現地まで案内して頂きました。

Footprint
エゾヒグマ♂の足跡(前足)

 案内して頂いて着いた先には、ぬた場(水溜まり跡)があり、そこには証言通りエゾヒグマの巨大な足跡が残されていました。大きさからして、オスの成獣との事です。比較で置いたレンズキャップは直径が約7センチなので、ざっと見積もって、足の平のサイズは20センチというところでしょうか。
 う〜ん、これは戦っても勝てないですね(当たり前)。

弟子屈町 2018年5月19日

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フライング

Ezoharuzemi
エゾハルゼミ♂

 林縁で観察をしていた最中、不意に足下で羽をバタつかせる昆虫がおり、見れば初夏の代表種ことエゾハルゼミでした。季節の進みが早いにしても、少々フライングが過ぎたのか、あまり元気がありませんでした。という訳で、そばにあったトドマツの幹に止まらせてのやらせ撮影です。

Miyamasumire1
ミヤマスミレ

 近くにはスミレがひっそりと咲いていました。これこそ、斑入りではない正真正銘のミヤマスミレの様です。

Miyamasumire2

 後で友人に聞いたところ、「道東では、道端で普通にミヤマスミレが生えている」という事なので、近場にあった幾つかのスミレを見てみると、本当にミヤマスミレでした。ちなみに、上の群落の写真は家の玄関の目の前にある茂みの中。ドア to 現場が実に1秒です。

弟子屈町 2018年5月13日

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前線到着

 北の大地の道東に、ようやく桜前線が到着しました。

Ezoyamazakura1

Ezoyamazakura2
エゾヤマザクラ

 寒すぎるためソメイヨシノは無いので、こちらでのお花見はもっぱらエゾヤマザクラです。街路樹として植わっている事もありますが、山肌や林縁などといった場所で咲いている姿の方が、野性味があってより美しく見えます。

Oobananoenreisou
オオバナノエンレイソウ

Komiyamakatabami
コミヤマカタバミ

Ezoengoturuhananeko
エゾエンゴサク:白花、ツルネコノメソウ(周り)

Nirinou
ニリンソウ

 花も次々と増えて来ましたが、こうしてみると白系の花が多いので、どこか雪国を感じさせる物がありますね。それぞれの植物の特徴を捉えた撮り方を気にすると中々難しいので、トンボシーズンの開幕を前に、鈍っていた被写体との距離感を思い出すにはもってこいです。

弟子屈町 2018年5月13日

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賑わう大地

 連休に入り、道東地域の車の数がだいぶ増えました。道東に来るのは良いのですが、かなり飛ばす車もいるので、パトカーに掴まらないか&事故を起こさないかと時々心配になります。

Ezoengosaku
エゾエンゴサク

Nekonomesou
ネコノメソウ
チシマネコノメソウ

Nyoisumire
ニョイスミレ

Fuirimiyamasumire
ミヤマスミレ(フイリミヤマスミレ)

 観光地がいつもより賑やかですが、暖かくなって来たおかげで地面も賑やかになって来ました。エゾエンゴサクの青い花畑を近所で見る事ができるのは嬉しい事ですが、よく探すとネコノメソウ チシマネコノメソウ*やニョイスミレなどの懐かしい顔もあります。

(* チシマネコノメソウとのご指摘を頂きましたので修正しました)

 そんな中、樹の根元で控えめに咲いていたミヤマスミレ。葉脈に沿って白い模様があるので、図鑑片手に調べてみると、どうやら斑入り型(通称:フイリミヤマスミレ)のようです。前回のヒメイチゲの所でも書きましたが、この種も本州では高標高の地域でしかお目にかかれないスミレ。しかも、北海道では斑入り型が多いそうなので、北国の春の気配半分、物珍しさ半分という感じです。

Sunagomidamasp
ヒメスナゴミムシダマシ?

 地面の花探しついでに、水際の朽ち木の下にいたヒメスナゴミムシダマシ(?)も。こちらは、北海道に限らずほぼ全国の川岸や湖、海辺などの砂地に生息しているようです。昨年は、余裕が無くて地面にまで目が向きませんでしたが、おそらく、トンボ観察時の足下には沢山いた事かと思われます。

Ezomurasakitutuzi
エゾムラサキツツジ

Kitakobushi
キタコブシ

 桜はまだですが、エゾムラサキツツジとキタコブシの花が、春空に彩りを添えていました。

 そういえば、今週はEテレで『香川照之の 昆虫すごいぜ!』がゴールデンタイムに再放送されているので、ついつい毎回見ていますが、始終展開されるカマキリ先生の体を張ったロケと、知っている人にしか理解不能なコメントが衝撃的すぎて、内容が半分くらいしか頭に入って来ないですね!? たまに(常に?)ぶっ飛んだ事をやってのける、流石Eテレです。
 特に、3日の放送は『オニヤンマすごいぜ!』という事でテレビに釘付けでしたが、汗だくになりながらオニヤンマ♂を9匹捕まえたり、トンボにキスしたり、ギンヤンマを初めてゲット(+キス)したり、時速70キロでドリフトしたり、時速70キロのボールをキャッチしたりと、カマキリ先生が変わらずの狂喜乱舞ぶりで良かったです。
 あと、冒頭でトンボを『TOMBO』と呼んでいましたが、何を隠そう、日本トンボ学会の学会誌のタイトルはTOMBOなので、「Nじゃないの??」と思われた方、何の問題もありませんのでご安心を。

 ただ一点だけ。しがないトンボ屋の一人として空気を読まずに言ってしまうと、『出動!タガメ捜査一課』でハグロトンボとして紹介されたトンボ。あれは良く似た種のアオハダトンボです(オニヤンマすごいぜ! で紹介されたハグロトンボは本物)。

Aohada
『出動!タガメ捜査一課』で登場したのは、アオハダトンボ♂
(東京都西部 2013年5月13日)

Haguro
『オニヤンマすごいぜ!』で登場したのは、ハグロトンボ♂
(東京都西部 2014年8月3日)

 まあ、両種とも似てますし、こんな細かい事に突っ込むのはトンボ屋くらいです。そんな事をつい忘れさせるくらい、ぶっ飛んだ番組でした。

弟子屈町 2018年5月2日

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林道探索

Kotubame
コツバメ

 ヒグマに怯えながらの林道探索から約一週間が経ちましたが、懲りずに今回は別の林道にてムカシトンボの情報収集に挑戦して来ました。前回は熊鈴だけを装備していたのですが、鈴の音に掻き消されてちょっとした物音が聞こえないため、今回はホイッスルに爆竹、そして最終手段としての護身用に鉈を装備して臨みました。
 出掛ける時、家の前でコツバメが見送ってくれましたが、これは良い知らせなのか否か!

Kawayanagisp
エゾノカワヤナギ?

 季節は少し進んでおり、林道の入り口にはキツネの尻尾の様なエゾノカワヤナギ(おそらく)の花が咲いていました。

Gyojyaninniku
ギョウジャニンニク

Baikeisou
バイケイソウ

 陽当たりの良い土手では、春の味覚の一つであるギョウジャニンニクが葉を伸ばしていました。その近くにはバイケイソウも。一見すれば両種の区別はつきますが、混生している事が多いので(バイケイソウは毒草)、ギョウジャニンニクを採る時には注意したいものです。

Himeichige
ヒメイチゲ

 方や、やや日影の場所で本当にひっそりと花を咲かせていたヒメイチゲ。高さは5センチほどだったので、正に姫の名に相応しい姿です。本州では亜高山帯や高山帯に自生するそうで、小さな花からも北国の春を感じました。

Komadori_2
コマドリ♂

 通り過ぎた木立から、不意に「ヒンカラカラカラー」という透き通る綺麗な鳴き声が。驚いて声のした方を見れば、枝先でコマドリのオスが美しいさえずりを響かせていました。あまりに美しい声なので、飛んで行ってしまうまでしばらく聞き惚れてしまいました。

 結局、今回の林道でも手応えが無かったのですが、そもそも確認記録が古い場所なので、今も生息しているのかどうか疑問があります。ヒグマの襲来にびくびくしながら、上陸幼虫を求めて地べたの石をひっくり返すより、成虫が飛ぶであろう時期に改めて訪れた方が良いのかもしれません。今更ですが、、、。

弟子屈町 2018年4月28日

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