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プロ意識

 先日の土曜日、昆虫写真家の尾園さんと(株)BiotopGuildの三森さんのコラボ企画のトークイベントに行って来ました。
 尾園さんはトンボ界では言わずと知れた有名な方ですが、三森さんはビオトープを通して都市における自然環境の多様化や環境教育を手がけてらっしゃる方で、実は以前に通っていた専門学校の卒業生(先輩)および先生でもありました。お二人共に少なからず面識がありましたので、その意味では今回のトークイベントは非常に楽しみにしていました。

Tombotalk
トンボトーーク!(開始前の一時)

 会場に着いてみると良い雰囲気のギャラリー内に尾園さんとって置きの写真が幾つも展示されており、中には名著『日本のトンボ』でも掲載されている写真が幾つもありました。開始前には尾園さんとお話する機会も頂き、素晴らしい写真の数々の撮影秘話を直にお聞きする事ができ、素人トンボ屋の私としては頭の下がる思いでした。

 メインのトークイベントは尾園さん主導で三森さんが時々相の手を入れるという形でしたが、内容は非常に面白く、前半はトンボの名前の由来から始まり紀元や形態、生息環境、種類、生態、文化的側面までに及び、後半はトンボを撮影する上での秘訣について尾園さん愛用のカメラと共にお話頂くという盛り沢山の内容でした。
 お聞きしていると、内容その物はトンボ屋さんならばよく知っているというものばかりなのですが、目から鱗も多く、トンボの事を本当によく知っている方にじっくりお話頂くと「ここまで面白いのか!」と感動すら覚えました。また、時々三森さんが入れる「トンボあるある」の相の手が本当に「あるある〜!」と言いたくなるもので、これがまた良い味を出していました。

 イベントの終盤では、参加者から尾園さんへ質問をする機会も設けて頂いたのですが、恐れながら私からも『観察・撮影に臨むに当たって自然に踏み込まなければならない(一部を撹乱・破壊しなければならない)が、普段の撮影ではどれくらいの配慮をしているのか?』という実に偉そうな質問を一つさせて頂きました(正直なところ、申し訳ない思いで一杯でした・・・)。
 これは、人とは違う視点から観察・撮影しようと思えば、その分自然環境の奥へと踏み込む必要も出て来ると同時に、他の人がおいそれと撮影できない写真を生み出す尾園さんが、普段どうされているのかというのを是非とも直接お聞きしたかったからです。
 尾園さんからのお答えは、『撹乱は最小限に努め、活動の終了時には胴長や長靴の底を綺麗に洗う。入るべきではないと判断した所には入らないか、入る事になっても最小限にする』という予想通りの素晴らしい物でした。同時に、あれだけ凄い写真を日々生み出しているプロの人だからこそ、自然に対する配慮や敬意も決して忘れていないというのは、本当に尊敬の一言に尽きました。

 尾園さんのいる場所には、おそらく一生かかっても辿り着けないかもしれませんが、素人ならば尚更に基本的な心得・初心を忘れてはならないと、身に滲みた一時でした。

東京都 2016年9月24日

*お知らせ*
 急ですが、仕事の関係で10月からの半年間、拠点を香川県に移す事となりました。仕事をこなす事は勿論ですが、トンボ的にはナニワトンボやオオキトンボなど、魅力的な種類がいるので色々な意味で楽しみです。例によってネット環境がいつ整うか未定ですが、次回は四国のトンボと共にお届けできればと思います。

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密かな気配

 先日の土曜日、地元の公園で行われる毎月の恒例の昆虫調査に参加して来ました。

Shioneki
シオカラトンボ♂(左)・ネキトンボ♂(右)

Sazanami
サザナミスズメ

Onbu
オンブバッタ

Tdaru
トウキョウダルマガエル

Genno
ゲンノショウコ

 ビオトープでは、相変わらず衰えを見せないシオカラトンボに混じってコノシメトンボやネキトンボが飛んでおり、写真には撮れませんでしたが産卵も行っていました。水田の稲穂も頭が垂れて来ており、草むらではゲンノショウコも咲いていたので、東京の都心にも秋の第一陣が密かに訪れているようです。

東京都 2016年9月17日

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第一陣

 先日の土曜日、2ヶ月ぶりに山梨の観察地へと足を運んで来ました。

Natu
ナツアカネ♀:産卵

 時々訪れていた山地の水域に向かったところ、陽当たりの良い草地の上では早くもナツアカネが産卵を行っていました。発見時は通常の連結帯で産卵を行っていたのですが、しばらく見ていると連結を解いて、単独の産卵に移りました。例年、稲刈り後の水田での観察が主だったので、青々とした草の上で産卵しているのを見ると何だか新鮮です。

Kiageha
キアゲハ

Tonosama
トノサマバッタ:交尾

 この日は、鳥好きの専門学校の元同級生が同行していたので、山地でしばらく観察を行った後、麓の河原へと移りました。私は地面にばかり気を取られていましたが、同級生の方はというと反対に空を見上げ、サシバやアマツバメなどを眺めて楽しんでいたようです。
 当然ではありますが、見る生きものが違えば見る場所や行動が全く違うというのは面白いですね。

山梨県 2016年9月10日

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他力本願

 稲の復旧作業を行ってから数日後、問題無いか再び様子を見に行きました。まるで農家のおじさんですね。

Kuroageha
クロアゲハ

Nagasaki
ナガサキアゲハ♀

 公園へと向かう途中、道端ではクロアゲハの蛹を発見したり、ナガサキアゲハに出くわしたりと、何故かアゲハ類との遭遇率が高かったです。

Kawasemi
カワセミ♂

 公園に着いて、水田へと向かう前にヤブヤンマのいる池を覗いてみると、なんとカワセミが来ていました。後で情報を確認したところ、どうやら2ヶ月ほど前から時々姿を見せているようです。小魚を捕らえる印象が強いですが、都会に生息している個体はアメリカザリガニを食べる事があるらしく、他力本願ではないですが、園内の水域に潜むアメリカザリガニも積極的に獲って頂けると助かります。
 ちなみに、稲の方は問題ありませんでした。

東京都 2016年9月5日

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追い打ち

 台風一過の翌日、地元の公園にある水田の稲が一部倒れてしまったため、復旧作業を手伝いつつ、生きものの様子も見て来ました。

Jyakou1
ジャコウアゲハ

 前の記録では蛹化間近の終齢幼虫を載せましたが、それから2週間経ったのでほとんどは蛹になっており、おそらく台風前には羽化したと思われる殻も多数残されていました。

Jyakou2

 中には死んでしまった蛹もありましたが、どこからか飛んで来たクロスズメバチが忙しく齧り取って糧としていました。できれば冬場の越冬蛹も観察したいところですが、肝心のウマノスズクサが前の幼虫達によって根刮ぎ食べられており、果たして今後どうなるのか気になるところです。

Shiokara
シオカラトンボ:交尾

Uragin
ウラギンシジミ

 台風が残した強い風が始終吹いていましたが、そんな中でもシオカラトンボは元気に活動しており、方やウラギンシジミは風をやり過ごすように葉の影に止まっていました。

 この後、引き上げようかと思った矢先に園内を散策していた孫連れのおじいさんに「カマキリがセミを捕まえてた!」と呼び止められたので、その現場へ案内して頂いたのですが、

Harabiro1
ミンミンゼミを捕らえたハラビロカマキリ

 おじいさんの証言通り、ハラビロカマキリがミンミンゼミを捕らえていました。この時点ではセミはまだ生きており、時々翅をばたつかせてはいましたが、カマキリの方はそれをがっしりと押さえ込んでいたので、大した力です。

Harabiro2

 珍しい光景を見れた喜びの反面、セミにとっては折角台風を乗り切ったのに何たる仕打ち! という心境かとは思うので、それを察すると切ない面もあります。

東京都 2016年8月31日

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