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台風前の静けさ

 前回からの続きです。
 原始のトンボの生息地に思いを馳せた後、川に戻ってハグロトンボをしばらく観察しました。

Haguro
ハグロトンボ:交尾拒否

 数はそこそこ見られはしたのですが、交尾や産卵の時間帯には少し早かったようで、オスが懸命にアタックをしかけるも実ってはいませんでした。残念ながら良い成果は得られなかったので、早々に引き上げて別の水域に向かいました。

Ooito
オオイトトンボ

 次の水域では、トンボの個体数は少ないながらもオオイトトンボを見る事ができました。このトンボも、山梨では見つける事ができなかったので(分布してはいるようですが)久々の観察です。

Rurimon
ルリモンハナバチ

Oochyabane
オオチャバネセセリ

Nihonaka
ニホンアカガエル
ヤマアカガエル*

 水域から少し離れた場所では、水色の模様が綺麗なルリモンハナバチも見る事ができ、アキノタムラソウの蜜が好きなのか転々と咲く花を忙しく移動していました。今回調べて初めて知りましたが、幼虫は他のハナバチの巣に寄生して花粉を失敬するらしく、綺麗な色なのに強かですね。

>台風前という事でトンボもやや少なめで空模様も心配ではありましたが、経験豊富なkojeeeさんのご案内により、外れの無い観察を行う事できました。どうもありがとうございます。

* ご指摘頂きました方、どうもありがとうございます。

東京都 2016年8月15日

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原始の生息地

 前回からの続きです。
 オナガサナエのホバリングを観察したあと、kojeeeさんが秘密の水域へと案内して下さいました。その水域というのが、話を聞けば聞くほど不思議な環境で、まさかそんなトンボが?? と、一瞬疑ってしまうような場所なのですが、現場に付いていざ探索してみると、

Katori1

Katori2
カトリヤンマ♀:羽化

 教えられた先に目を向けてみれば、羽化を終えたカトリヤンマが初々しい翅を煌めかせていました。昨年に、山梨で泥に塗れた産卵中のメスを見てからほぼ一年ぶりの出会いですが、羽化直後の初々しい姿もやはり良いものです。

Hosomiotu1

Hosomiotu2
ホソミオツネントンボ♀:羽化

 ここで合わせて見る事ができたのが、越冬で有名なホソミオツネントンボ。一年を通して散々見て来た姿ではありますが、羽化を終えたばかりの個体を見ると、実に新鮮な気持ちになります。

Ookamakiri
オオカマキリ♂

 ここで確認されたトンボは、通常だと水田に生息している種が多かったのですが、実際の景観は水田とは全く異なる物でした。しかし、水環境は水田と通じる面があり、日本の大地に水田稲作が広がる前は、こういった環境にホソミオツネントンボやカトリヤンマ、アキアカネなどの、水田ではお馴染みのトンボが生息していた原始の生息環境なのかもしれません。

東京都 2016年8月15日

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Sentinel

 先日の月曜日、お盆休みに入っていたkojeeeさんが観察に誘って下さったので、お言葉に甘えて同行させて頂きました。

Onaga1
オナガサナエ♂:探雌飛翔

 この時期と言えば、まずはオナガサナエの観察という事で、2年前にもご案内頂いたとある河川のポイントに向かいました。着いてみると、メスの到来を待ってホバリングするオスがちらほらと見られました。久々の勇姿を見て、カメラ設定もそこそこに撮影してしまいましたが、ホバリング時は羽ばたき回数が多いので翅がくっきりと写っていませんね。何となくスピード感は感じられますが。

Onaga3

Onaga2
オナガサナエ♀:産卵

 そんな中、歩哨の様に目を光らせるオスの不意を付き、気がつけばすぐそばでメスがホバリングしつつ、何食わぬ顔で川面に卵を産み落として行きます。先日の長野での観察でオフ日のメスに遭遇しましたが、カメラに全く動じなかったあの姿と、オスの目をかいくぐって産卵する強かさが、何となく繋がったように思えます。

東京都 2016年8月15日

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水恋い

 先日の土曜日、地元の公園で月恒例の昆虫調査があったので、再び参加してきました。

Restaurant2

 最初に、7月の調査でヒラタクワガタなどが集まっていたクヌギの様子を見に行くと、今回はカブトムシやゴマダラチョウが集まっていました。調査の時間帯は前回とほぼ同じでしたが、季節の進んで気温や湿度が変われば、訪れる昆虫も変わるというのは面白いですね。

Jyakou
ジャコウアゲハ

 蚊の猛攻撃に耐えながら樹液レストランを後にすると、一角にあるウマノスズクサに立派なジャコウアゲハの幼虫が乗っていました。ウマノスズクサ自体は前々からあったのですが、ジャコウアゲハが周辺地域では少ない事もあって、これまで幼虫は全く確認されていませんでした。それが今年になって、突如飛来したメスによる産卵が確認され、その卵が孵ったようです。実はこの個体以外にも、成長段階が様々な幼虫が複数いたので、このまま行けばある程度の成虫が発生しそうですし、冬には蛹も観察できるかもしれません。

Sennokami
センノカミキリ

Shiokara
シオカラトンボ♂

 センノカミキリのいる林を抜けて水田に出れば、水路脇に置かれたジョウロの先に、水でも恋うかのようにシオカラトンボが止まっていました。ここ最近は珍しく朝晩と涼しいですが、日中はやはり暑いですからね。水田も乾き気味だったので、まとまった雨が降って欲しいところです。

Noshime
ノシメトンボ♂

 夏らしい光景が展開される一方、涼しげな林縁には一足早く秋の到来でも告げるかのごとく、ノシメトンボがひっそりと止まっていました。まだまだ夏は続きますが、目立たない所から少しずつ変わっているようです。

東京都 2016年8月13日

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続・メガネ族

 翌日、場所を諏訪湖へと移して昨年にも観察したメガネサナエの様子を見に、同じ川へと向かいました。

Megane1
メガネサナエ♂:縄張り飛翔

 現場に着いてみれば、朝日の差す川面のそこかしこで、メガネサナエのオスが縄張り飛翔とバトルを繰り広げていました。ホバリング気味の飛翔をする時間帯としてはぎりぎりでしたが、それでも数個体が入れ替わり目の前を通り過ぎてくれたので、シャッターチャンスには事欠きませんでした。

Megane2_2

 現地入りしてから約1時間後、飛翔する姿がふっと消えたかと思えば、みんな川岸の思い思いの場所に静止しての縄張りの監視に変わりました。飛翔時もそうですが、静止する際も太陽に背を向けている個体が多かった様に思います。目の前を通り過ぎる者があれば種を問わずスクランブル攻撃をしかけるのですが、一戦終えて元に戻れば、近くに別のオスがいても静かにしているので、排他性が強いのか弱いのか不思議なトンボです。

 長野遠征の数日前に、お世話になっている東京昆虫記のkojeeeさんから、諏訪湖でワカサギが大量死している(水中酸素濃度の不足により)らしいから、行く機会があればメガネサナエの様子を見ておいて欲しいとの連絡を受けていたのですが、状況としては昨年と変わらずというところでした。

Karugamo
カルガモ親子

 観察に区切りを付けようとした時、長崎の原爆戦死者への黙祷の呼びかけが市内放送で流れ、胴長装備に汗まみれという格好ではありましたが、西の彼方に向かって黙祷した後、帰路につきました。

長野県諏訪湖 2016年8月9日

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オフの日

 前回からの続きです。
 一つ目の水域でのハッチョウトンボは空振りでしたが、次に訪れた水域では一先ず発見する事ができました。

Hachyou1
ハッチョウトンボ♂

 しかし、発見できたのはこの個体のみで他には全く見当たらず、既に収束していたようです。交尾行動等は午前中という事なので、間に合うように行ったものの少々残念な結果ではありました。

Hacyou2

 今年の6月に掲載した写真では大きさが今一わかりづらい物でしたので、今回は比較になる写真を。赤い矢印を付けた草先の部分が1ミリ相当なのですが、ハッチョウトンボの小ささ(約2センチ)が何となくおわかり頂けるでしょうか?

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Kiito2
キイトトンボ:産卵

 ハッチョウトンボの止まる場所から目線を更に下げると、水面ではキイトトンボ達が産卵の真っ最中でした。写っている2組の周辺にもあと2〜3組ほどいたので、こちらの活動の時間帯には合わせる事ができたようです。

Onaga1
オナガサナエ♀

 ハッチョウトンボとキイトトンボを一頻り観察し、さあ帰るか、と道を戻りかけた時、枯れ草の先になんとオナガサナエのメスが止まっていました。川はかなり離れた所にあるため、予想外の遭遇に一瞬自分の目を疑ったほどです。

Onaga2

 オナガサナエといえば、この時期の河原では陣取っている姿をよく見かけますが、そちらは基本的にオスで、メスはというと、発生水域から相当離れた場所で発見される事もあるらしく、普段はどこでどのように過ごしているのかよくわかっていないそうです。まあ、これがいわゆるオナガサナエ♀のオフの日の姿という事になりましょうか。
 また、縄張りを張っているオスは人が近付こう物ならすぐに逃げてしまいますが、このメスはとても大人しく、何度カメラを近づけても全く動じませんでした。それどころか、試しに指で顔に触れて見ると、逃げる事も無く「なによ〜」とばかりに脚で顔を拭く始末。大人しいを通り越して、肝が据わっているという表現の方が正確かもしれません。
 目当ての一つとしていたハッチョウトンボの観察はやや不完全でしたが、思わぬ結果が得られたので文句無しです。

長野県 2016年8月8日

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鬼コンビ

 東京に戻ってから少しは落ち着いたので、久々に長野へと遠征して来ました。

Oniyanma
オニヤンマ♂

Kooni
コオニヤンマ♂

 目当ての内の一つはハッチョウトンボだったのですが、最初に訪れた場所では外れを食らってしまい、そばを飛び回っていたオニヤンマとコオニヤンマの鬼コンビをしばらく観察しました。

Sawagikyou_2
サワギキョウ

Fushiguro
フシグロセンノウ

Miyamauzura
ミヤマウズラ

 トンボ面では外れたものの、周りを歩いてみれば様々な花が咲いていました。中でも嬉しかったのがこちらのミヤマウズラ。ランの一種で、小さかったので危うく見過ごしてしまうところでしたが、丁度咲き始めという頃合いです。日本在来のランには目立たない種も多いので、野外で見つけるとつい嬉しくなってしまいます。

長野県 2016年8月8日

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暑さ帳消し

 とても暑い日が続いていますが、そろそろヤブヤンマのぶら下がりが見られるのではと思い、地元の公園に再び様子を見に行って来ました。

Yabu
ヤブヤンマ♂:休止

 この日は午前中に水田等の管理作業があったので、作業前に例の池を覗いてみると、涼しそうな木陰にぶら下がっていました。もう少し気温が上がるお昼頃からと思っていましたが、最近は朝から暑いですから、トンボの方も大変なのかもしれません。

Cyoutombo
チョウトンボ♂

 作業中、会のメンバーから「ビオトープにチョウトンボが来ている」との連絡を受けたので、作業を放り出して中断して行って見れば、刺すような陽射しの中でチョウトンボが悠然と舞っていました。都内の公園でも所々で見る事ができますが、地元の公園では飛来する事が少ないので、嬉しい限りです。定着してくれると万々歳ですけどね。
 暑い中、大汗をかきながらの作業となりましたが、目的としていたヤブヤンマに加えてチョウトンボも見る事ができて、暑さも帳消しです。

東京都 2016年8月7日

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密林を越えた先

 先日の木曜日、大学院で発光生物の研究をしている先輩がサンプル採集を手伝って欲しいという事で、埼玉県の某所へと行って来ました。

Kitune
キツネノカミソリ

 この日は朝からとても暑く、おまけに訪れた場所は樹々が鬱蒼と茂っており湿度が高かったので、少し歩くだけで大粒の汗が顔を流れました(おまけに蚊の多いこと!)。蒸し暑い林の中、蚊と格闘しつつ草を掻き分け進む様に、いつぞやのマレーシアのジャングルでの採集を思い起こしました。
 そんなキツい行軍中、少し開けた場所に出たどころで、不意に大きなトンボが目の前を横切りました。もしやと思いその影を目で追い、止まった姿をおそるおそる確認すると・・・

Neakayoshi
ネアカヨシヤンマ♂

 そこにいたのは、紛う事なきネアカヨシヤンマ! 休憩の時間帯だったらしく、しばらく枯れたシュロに掴まっていました。恥ずかしながら、生きた姿を見たのはこれが初めです。蒸し暑い密林を越えた先には、思わぬ宝が待っていてくれました。

埼玉県 2016年8月4日

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流れを前に物思う

 夕方、所用を済ませた後に近所を流れる川を通りかかったところ、川岸に見慣れない鳥がいました。

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ゴイサギ

 その鳥は、こちらのゴイサギ。昨年の冬に都内の水辺で観察しましたが、近所でもその姿を見る事ができるとは思いませんでした。

Goisagi2

 しかも、いた場所というのが都市河川の壁面に開いた別の水路からの流出口。およそ綺麗とは言えない水がごおごおと流れている水路なのですが・・・

Goisagi3

 当のゴイサギは、物思いに耽るかの様に流れ出る水をじっと見つめ、時折素早く首を伸ばして何かを啄んでいました。上からは見えませんでしたが、小魚か水生昆虫か何かが流れて来るのかもしれませんね。都会で暮らす生きものは、一見して人間が見向きもしない物を利用している事があるので、その意外性にはっとさせられます。

東京都 2016年8月2日

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数年ぶりの地上

 今回から東京を拠点にした観察に戻ります。

 先週の段階で引っ越しは既に完了し実家に戻っていたのですが、片付けが一段落したので、土曜日には近所の公園での夜間昆虫観察会に顔を出して来ました。

Shiokara
シオカラトンボ♂

 観察会の準備は夕方からだったので、その前に水田に寄って見ると、鳥除けネットを張るために水田に張り巡らせたロープの上に、良い見張り場所ができたとばかりにシオカラトンボのオスが点々と止まっていました。

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アブラゼミ:羽化

 観察会(ライトトラップ)は日没の前から開始し、風も然程強くなく湿度も程々でしたが、コガネムシ類が多く見られた以外に大きな収穫はありませんでした。一方、傍らではアブラゼミが羽化の真っ最中で、ライトトラップの光源のおかげでストロボ無しでじっくり撮影できました。

Abura3

Abura4

Abura5

 明るい時間帯から既に地上をうろうろしている幼虫もいた一方、会が終了した21時過ぎにようやく地中から顔を出している個体もいました。今回久々にセミの羽化を観察しましたが、あちこち動きながら羽化場所を吟味する仕草や、羽化のポーズ(倒垂型?)はトンボと通じるところがあり、分類的には離れていても似たところがあるものだなと思いました。

東京都 2016年7月30日

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