奥ゆかしき茶色

 先日の29日は振休だったのですが、道東地域のため例のミサイル騒動により早朝からJアラートと町内放送に叩き起こされました。しかも外は雨・・・。
 束の間の休みというのに寝覚めの悪い日でしたが、お昼頃には雨が止んだので、景気付けに知り合いの虫屋さんから教えて頂いた場所へと、ある昆虫を探しに出掛けました。

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チャイロスズメバチ:ハルニレの樹液を摂取

 その昆虫とはこちら、チャイロスズメバチです。生きている姿は初めて見ましたが、この茶色が中々に渋い! 本種については、『社会寄生』(本種の女王バチがキイロスズメバチなどの巣に侵入して、最終的に巣を乗っ取る)という生態が有名で、昆虫の奥ゆかしさを感じます。実物を見ると、思っていたより小さくて羽音も重低音ではない(アブに近い?)ので、今まで頭の中で勝手に作られていたイメージが一新されました。
 雨上がりで気温が低かったため、動きが鈍いのを良い事にかなり寄って撮影してしまいましたが、スズメバチである事には変わり無いですし、今度見る時は注意したいと思います。

Akagera
アカゲラ

 帰り際、近くの立ち枯れ樹をふと見ると、餌を探すアカゲラの姿が。結構近かったのですが、こちらを特に気にせず黙々と餌探しに専念していました。

Torikabuto
エゾトリカブト

 気がつけば、トリカブトの花が咲く季節になりました。今年は、地理的な面もあって夏らしい雰囲気を感じる事が未だ少ないのですが、道東ではもう秋支度が始まっているようです。

道東 2017年8月29日

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大らかさ

 東京の天気はほぼ一ヶ月連続で雨マークだったようですが、道東もこの一ヶ月天気が不安定で、一時は最高気温が22〜23℃と秋を思わせる様な涼しい日も続きました。しかし、今週になって夏が息を吹き返し、鳴りを潜めていた昆虫達も少し元気を取り戻したようです。

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コオニヤンマ♂

 陽射し降り注ぐ湖の様子を見に行って見ると、湖面を渡る風に吹かれながら、コオニヤンマがパトロールを行っていました。お気に入りと思われる場所に止まった個体に試しに近付いてみると、すんなりと距離20センチ以内まで詰める事に成功。あまり近寄らせてくれない印象が強かったのですが、北の大自然で育ったため大らかなのかどうかはさせておき、良い個体に巡り会えました。
 ちなみに、道内に生息するサナエトンボ科は、コオニヤンマを含めわずか4種(他はモイワサナエ、コサナエ、ホンサナエ)とされているので、本州以南では普通種ですが、こちらではある意味で貴重な存在です。

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ルリボシヤンマ♂

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ルリボシヤンマ♀:産卵

Ruriito
ルリイトトンボ♀(♂型):カメムシ目(?)の一種を捕食

 近くの湿地では、ルリボシヤンマのオスが忙しくパトロールを行っており、その目を盗んで、水際の物陰ではメスが産卵を行っていました。そんなルリボシヤンマ達の攻防を脇で見つつ、ちらちらと飛び交うルリイトトンボはのんびりとお食事タイム。

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カワセミ♂

 トンボ達の行動を眺めていた時、甲高い鳴き声と共に不意に一羽のカワセミが現れました。あまりにも近距離だったので、こちらの存在に気がついたらきっと驚いて逃げるだろうかと思いきや、すぐ近くの枝先に止まって水面の様子を伺い始めました。これは狩りの一部始終が見られるのではと期待して、観察対象をカワセミに変更です。

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エゾサンショウウオの幼生(?)を捕食

 すると期待に応えるかの様に、水面にサッと飛び込んだ次の瞬間には枝先に舞い戻り、嘴にはエゾサンショウウオの幼生と思しき獲物を見事にくわえていました。この後も2回ほど見事な狩りを目の前で披露してくれてから、森の奥へと姿を消して行きました。
 それにしても、コオニヤンマやカワセミが見せた大らかさは、彼らの性格なのか北の大自然の力なのか、気になるところです。

弟子屈町 2017年8月25日

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熱中は禁物

 折角道東で暮らす事になったので、大学の卒業研究で調査を行った水域の様子を見に行って来ました。

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ルリボシヤンマ♂

 調査地の一つだった森林内の湿地帯に訪れると、以前と変わらずにルリボシヤンマやモリトンボが飛び交っていました。再び調査地に戻る事ができたのは幸運とも言えるので、卒業研究でやり残した事を補完するべく、個人的に今後も調査を継続して行こうかと思います。

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オニクワガタ♂

 湿地のそばに落ちていた木片の上には、オニクワガタの姿も。本州では、山地や高山帯のブナ林等でしかお目にかかれないそうですが、北海道では平地で普通に見られるようです。小さいクワガタですが、短くもがっしりとした大顎がなかなか格好良いですね。

Karasuageha
吸水するミヤマカラスアゲハたち

 ルリボシヤンマやオニクワガタを小一時間眺めた後、近くの湖岸にも行ってみたところ、ミヤマカラスアゲハが点々と集まって吸水していました。

 この写真を撮影した直後、水際の砂地をふと見ると、直径20センチ以上はあるヒグマの真新しい足跡が・・・! 写真を撮るのも忘れ、手を叩いたりしてなるべく大きな音を出しながら、すぐに車へと撤退しました。侮るなかれ北海道!
 思い返せば、学生時は単独かつ自転車でこの調査地まで通っていたので、今考えれば命知らずもいいところです。・・・とか言いつつ、そこへ再び一人で来ている始末ですが。

 今回は、足跡で済みましたが、観察・撮影にせよ、採集にせよ、トンボに熱中し過ぎて周辺への警戒を怠ると、「あっ、やせいのヒグマが飛び出してきた!」(ポ◯モン風)などという事も十分あり得るので、それなりの緊張感を持ってフィールドに出ようと痛感しました。

弟子屈町 2017年8月8日

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北の彼方から

 北の大地からこんにちは。
 7月から道民となり、この一ヶ月はヒグマと戦う事もなく平和に過ごして、仕事や生活にも少しずつ慣れてきました。住んでいるのが道東の田舎町なのですが、生活面では今の所不自由もなく、自然も豊かなところです。
 東京者からすると、北海道には涼しい印象を持ってしまいますが、この時期だと晴れた日の気温は30℃以上まで上がるので、意外と暑いものです。ただ、東京と違って湿度が低く、朝晩は窓を開けて寝られないほど涼しくなるのが幸いですが。そして、豊かな自然を象徴するかの様に、昼夜問わず飛び交う昆虫の多さには目を見張ります(特に蛾とハエ・アブ類)。

 新しい仕事と生活にも慣れて来たので、昆虫の多さに期待しつつ、移住後初のトンボ観察に行って来ました。

Kitaito
キタイトトンボ♂

 東京を発つ前に、「北海道のトンボを紹介できれば、、、」と豪語してしまったので、有言実行という事でまずはこのキタイトトンボから。
 発見した場所では、ルリイトトンボと混じって飛んでいたので一瞬わかりませんでしたが、よく見れば青色の濃さが全然違います。道内にはキタイトトンボの他にも、エゾイトトンボやオゼイトトンボ、ルリイトトンボと青系のイトトンボが多いので、パッと見で見分けられる境地に早く達したいものです。

Ruriito
ルリイトトンボ:潜水産卵(中央)と飛翔する♂

 道内ではお馴染みのルリイトトンボも。かつての卒業研究の折に、毎日の様に顔を合わせていましたが、久々に目にするとその青空の様な色につい見とれてしまいます。

Kohiodosi
コヒオドシ

Tanchyou
麦畑の中のタンチョウ

 海抜は120メートルの地域なのですが、本州では高山帯に分布するコヒオドシやクジャクチョウが飛んでいたり、畑の中にタンチョウがぽつんといる姿を見ると、やはりここは北海道だと実感します。
 という訳で、これからの長い道東での生活も、これまでと同様にトンボを追いかけながら送って行こうと思います。

弟子屈町 2017年7月29日

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ウスバキトンボの気分

Siokara
シオカラトンボ♂(未熟):ヒメウラナミジャノメを捕食

Onaga
オナガサナエ♂(未熟):休止

 この2ヶ月間、音信不通となっていましたが、いよいよ北の大地へと旅立つ事となりました。
 おそらくは、残りの生涯のほとんどを北海道で過ごす事になるかと思いますので、ウスバキトンボよろしく、新天地に骨を埋める覚悟で生きていこうと思います。次に更新する時は、北海道のトンボを紹介できれば良いのですが、一先ずは、ヒグマに食べられないように精々気をつけることにします。

神奈川県
 2017年5月8日:シオカラトンボ
 2017年6月26日:オナガサナエ

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