温む水

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ミズバショウ

 エルタテハの集会を見物した帰り道。夏に何度か訪れた湿地にも立ち寄ったところ、ミズバショウが咲いていました。もう少し先かと思っていたので、驚きつつも新たな花の開花には心が躍ります。

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エゾアカガエル♂

 そして、湿地全体から聞こえて来るのはエゾアカガエルの「キュア キュア」という求愛の大合唱。驚かさないように、そっと水辺に近寄って覗き込むと、水面の至るところからエゾアカガエルが顔を出しています。

Ezoakaegg
エゾアカガエルの卵塊

 水中には真新しい卵塊もありました。水の中にも春の気配が満ちてきましたね。

Akamaruhanabachi
アカマルハナバチ♂

 カエルの大合唱が響き渡る水辺のアキタブキの花に、悠然と羽音を響かせてやって来たのが、こちらのアカマルハナバチ。本州では見ない種だなと思い、帰ってからよくよく調べてみれば、北海道にしか分布していないハチでした。例に違わず、限られた花を求めてやって来たのか、花粉まみれになりながらも忙しそうに蜜を舐めていました。

弟子屈町 2018年4月17日

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早春の集会

Snow
4月7日の自宅付近

 全国的に春めいて来ましたが、4月上旬の北海道はと言うと、こんな景色です。いや〜、、、流石は北海道。「夏タイヤへの交換は、5月の連休が明けるまで待て」と地元の方から聞いていましたが、本当にその通りです。しかし、日中の気温が10℃近くまでにはなって来たので、翌日にはあっという間に融けてしまいました。

Loggingroad

 それから約一週間。雪もすっかり融けた頃、前から気になっていた林道へと初めて行って来ました。

Ezoengosaku
エゾエンゴサク

 ふと足下を見れば、早春の北海道を代表するエゾエンゴサクの一番手が、可憐に咲いていました。綺麗な青色も然ることながら、この佇まいがなんともかわいらしい!

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エルタテハ

 道端にはエルタテハの賑やかな集会が。何事かとその下をよく見ると、タヌキの糞がありました、、、。フンコロガシ類もそうですが、糞に集まる昆虫って綺麗な種類が多いですよね。まあ、彼らにとってはご馳走なのでしょうが。

Erutateha2

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 こちらでも別の集会が。ここの集会は少しお洒落で、切り倒されたケヤマハンノキの樹液を舐めているようでした。花が数えるほどしか無いこの時期に、よくぞ嗅ぎ付けて来るものですね。
 材がやたらと赤いので、発酵でもしているのかと思ったのですが、ケヤマハンノキは切ってからしばらく経つと材が真っ赤になるそうです。

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 この時期は、人間界でも総会やら歓迎会やら集会が何かと多い時期なので、妙に親近感が湧いてしまいました。越冬明けの、遅めの新年会というところでしょうか。

 やたらとエルタテハに遭遇しましたが、本当の目的はムカシトンボの上陸幼虫(もしくは雪上歩行)。今回の林道での採集例が古い記録にあったので、様子見で来てはみたのですが、林道の奥にあった残雪は獣の足跡だらけで、おまけにエゾヒグマの目撃例が先日出たばかり。という訳で、雰囲気だけも感じて深追いするのは止めました。クマさん方の集会のご馳走になる訳にはいきませんからね。

弟子屈町 2018年4月17日

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日だまり

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アキタブキ

 東京出張から戻ってみると季節が少し進んでおり、そこかしこでアキタブキが顔を出していました。本州のフキより二回り大きいのですが、聞いた話では苦みがやや強いのだとか。天ぷら、もしくは生で刻んでお味噌汁に混ぜるのが良いそうです。

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フクジュソウ

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フクジュソウ群生地

 フクジュソウも続々と咲き乱れて来ましたが、この日の観察の過程で野生個体の群生地を発見しました。一方向だけの写真ですが、本当は360度全方向を同じ密度のフクジュソウに囲まれています。見つけた時は、その光景に思わず笑ってしまいました。

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クジャクチョウ

 そして、計らずも嬉しい出会いとなったのがクジャクチョウ。というか、成虫越冬するのでしたね。寒冷地生のチョウとは言えども、よくぞ氷点下20℃の冬を外で乗り切ったものだなぁと関心してしまいました。

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 植物にしても動物にしても、一際多く生えている場所や、長い時間日光浴をしている場所というのは、他のところより気持ち暖かい気がしました。ある意味で、日だまりを渡り歩くようなものです。
 そういえば、自宅の隅で越冬しているエルタテハも気がつくと姿を消していました。、、、が、自力で家の外に出られる様には思えないので、どこかに挟まっているかもしれません。

弟子屈町 3月31日

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花見ず

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 3月の頭に東京に帰ったばかりですが、今回は仕事で、本部への出張のため再び東京へと戻りました。桜が丁度満開だったので、春の気配に飢えていた人間にとっては、涙が出るほど(スギ花粉で)眩しい眺めです。

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ビロードツリアブ♀

 仕事の合間に、花びらと花粉の舞う春空から地面へと目を転じると、この季節にお馴染みのビロードツリアブの姿がありました。

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ビロードツリアブ♀:産卵
(青丸:ビロードツリアブ、青矢印:ヒメハナバチの巣穴)

 この場所、地面にはヒメハナバチの巣が無数にあって、観察していた最中もヒメハナバチ達が忙しく出入りしていたのですが、その巣穴を覗き込む様にビロードツリアブがホバリングをしています。
 実はこれ、ビロードツリアブの産卵で、ホバリングしながら巣穴の中に卵を投げ込んでいるところ。かわいい姿をしたビロードツリアブですが、ヒメハナバチなどに寄生して、卵や蛹を捕食するという強かな生態を持っているそうです。ホバリングの最中に、時折巣穴に向けて腹部を振っていたので、おそらくその瞬間に卵を穴の中に投下していたのでしょう。

 本当は、桜やスミレの写真などを撮るつもりではいたのですが、予備のバッテリーや充電器を北海道に置いて来てしまい、ビロードツリアブの観察だけでバッテリーを使い果たしてしまいました、、、。

東京都 2018年3月28日

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兆し

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フクジュソウ

 3月に入って、陽の光に暖かさを感じる様になったこの頃、道東の私の住む地域でもようやくフクジュソウが咲きました。東京の早い場所では1月中旬に開花したようなので、約2ヶ月かけてフクジュソウ前線が北上して来ました。

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 と言っても、陽当たりの良い地面に限った話なので、視点を少し変えると周りは雪の壁です。

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根開け(根回り穴)

 もう一つ、樹の周りだけ綺麗に雪が融けている事があるのですが、これは樹が太陽の熱を吸収して周りの雪が連鎖的に融けたもので、根開けもしくは根回り穴と呼びます。そして、その根開けの幾つかを覗いてみると、

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 ここにもフクジュソウが萌え出ていました。

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 この春の兆し! 北海道の一冬を初めて過ごした身としては、何とも嬉しき眺めです。

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ミヤマカケス

 頭上では、ミヤマカケスやアカゲラが賑やかに飛び交い、長い冬の終わりがようやく見えて来ました。

弟子屈町 2018年3月21日

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